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【視覚障害者柔道】ロンドンパラリンピック代表内定
~半谷静香を強くした「東日本大震災」 (3ページ目)

  • 矢沢彰悟●文・写真 text by Yazawa Syougo

 今、心掛けていることがある。

"柔道をやるのは自分のため"

「自分に自信がなかったから、柔道やってるのも自分のためって言い切ることがなかなかできなかったんです。家族はもちろん、小・中・高校の恩師とか小川先生、筑波大の関係者とか、周りの人たちのために頑張りたいっていうのはもちろんあります。でも、それでは最後に逃げちゃうんじゃないかと思って。自分のためって言えば最後に苦しいのは自分だから。それに私がそういう姿を見せなければ、周りも感動することができないじゃないですか。シドニーで高橋尚子さんがゴールしたときも、笑顔だったからみんな感動できたんじゃないかと思うんです。だから私も自分のために頑張って、自分が柔道を楽しんで勝つ姿を見せられたら、みんなも自然と私の感謝の気持ちを感じてくれると思うんです」

 代表選考試合、日頃から意識していた背負い投げも決まり、最後は優勢勝ちで半谷のロンドン出場が内定した。今度こそパラリンピックの舞台に立つことができるのだ。これでやっと自分に自信はついたのだろうか。

「まだです。成長を感じることはできたけど、まだ試合の内容にも満足できないし、なかなかそうはいきません(笑)」

 半谷がいつか絶対の自信を持つ日が来るとするなら、それは彼女がパラリンピックの舞台で最も輝いた色のメダルを手にすることを意味する。まずは今年、ロンドンでその舞台に挑戦する。今も自分に対する確たる自信を持ちきれないという彼女だが、意外とそんな自分の姿を実は信じていたりするのだ。

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