拡大する「学生eスポーツ」。オンライン高校が上位を席巻する理由 (4ページ目)

  • ハル飯田●文 text by Haru Iida
  • 毎日新聞社●写真

 スポーツコースを持つ高校が、各スポーツで全国上位に入る例も多いため、ルネサンスも同じ傾向の学校とも言えるが、集まっての練習が週2日であとはオンラインで練習することを踏まえると、スポーツコースの良さと、通信制の良さの両方をミックスした学校と言えるのではないだろうか。
 
 ともあれ、小学生の「なりたい職業」としてプロゲーマーが上位に挙がっていることもあり、高校生を含めた学生eスポーツシーンはさらに発展していくことが予想される。N高、ルネサンスとも、eスポーツシーンはさらに拡大すると予想している。

「どんな競技でも、楽しかったはずの練習が上達する段階で徐々に苦しみに変わっていくものです。ただ、ゲームは短時間で勝敗がつき、オンラインで簡単に同じくらいの腕前の相手と練習ができるので、達成感が得やすいという特徴があります。こうした要因からか、他のスポーツをやっていた生徒もeスポーツを楽しむようになりつつあると感じています」(ルネサンス西添氏)

 勝利や成功による達成感が、人の自己肯定感を高める要因の一つと言われていることを考えると、リアルスポーツで活躍できず、達成感を十分に味わえなかった生徒が、eスポーツに転向するのもうなずける。現に市立船橋高校サッカー部でほとんどトップチームに関われなかったスレッジ選手が、現在「FIFAシリーズ」のプロプレーヤーで活躍している例もあるように、今後eスポーツへ転向するプレーヤーが増えてくる可能性もある。

 今まさに成長しつつある高校生eスポーツシーンの行方を、今後も見守っていきたい。

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