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拡大する「学生eスポーツ」。オンライン高校が上位を席巻する理由 (3ページ目)

  • ハル飯田●文 text by Haru Iida
  • 毎日新聞社●写真

 リアルスポーツの強豪校はグラウンドや施設の大きさ、寮に入れる人数にも制限があるため、入りたくても入れない生徒がいたり、入っても十分な練習時間を確保できなかったりするが、オンラインであればその制約はない。実力がある人、好きな人がどんどん入学して、オンライン上での部活を楽しみ、入学後にめきめき上達することは十分に考えられる。

 しかもほとんどのeスポーツ大会が、1校から複数チームエントリーすることが可能となっているのも、生徒にとっては魅力的だろう。

 強い生徒が集まりやすいことが強さの理由――と表現すると元も子もないようにも感じられるが、リアルスポーツの世界でも校風や有名なOBに憧れて進学先を選ぶというケースは決して珍しい話ではない。通信制ではその門戸が広いことで、実力のある生徒の数が必然的に多くなるというのが、強さの秘けつなのだろう。

 一方、ルネサンスではeスポーツの扱いが異なる。同校は日本で初めて「eスポーツコース」を採用した高校であり、eスポーツを授業の一環として捉えている。eスポーツコースでは数学や英語などの一般科目をオンラインで受講しながら、eスポーツの授業はキャンパスに集まって対面形式で行なう。

 例えば西添氏が担当する新宿代々木キャンパスでは、週に2日「eスポーツの授業日」を設け、実技指導やプログラミング、動画編集などゲームにまつわる幅広い項目を指導している。

 さらに実技指導にはプロゲーミングチーム在籍経験のあるコーチを招き、高いレベルのコーチングを行なっている。グループ校である大阪や名古屋のキャンパスと練習試合を組むことも多く、カリキュラム内で「座学と実戦」という上達のための環境が整っているのだ。

 このルネサンスは、スポーツコースを持つ全日制の高校に近い。授業のカリキュラムの中にスポーツを組み入れて練習時間を増やし、トップレベルの指導者の下、切磋琢磨して競技力を上げていく。練習時間の質と量によって強くなっていく仕組みは同じだ。

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