【男子バレー】越川優が付きっきりで指導した選手がモンゴル代表候補に「いずれはクラブチームを持てたら......」 (2ページ目)
【常にレベルアップしていきたい】
現役引退の記者会見で、越川が口にしていたのは「育成の分野に力を注いでいきたい」という考えだった。
実際に神奈川ではU15やU12世代の指導に携わり、そしてモンゴルでプロチームのコーチを経験した。将来的には「クラブを作りたい」という思いを抱いているが、現時点では指導にウェイトを置いている。
「いずれはクラブチームを持てたらいいなと思っています。ですが、日本のバレーボール界全体を見ると、部活動の地域展開や大同生命SVリーグもU18世代のチーム発足と大きく動いている段階なので、その様子を見ながら構想を練っていきたい。
同時に、自分は指導者として成長していかなければなりません。やはり指導者がアップデートしなければ、結局はそこに携わる選手たちが最も影響を受けるわけですからね。クラブを作るにしても、指導者として常にレベルアップしていきたいと一番に考えています」
モンゴルから帰国したあと、現在は拠点を地元の石川県に置き、外部コーチとして富山県の高岡龍谷高校の指導に携わっている。その言葉どおり、自身も指導者として成長できている実感を覚えているそうだ。
「以前に中学生を指導していた時よりも、情報を得るようになりました。そもそも自分から情報を得ようとしない限りは、取り込むことができていませんでした。今はその時間を作れていますし、SVリーグや海外リーグの指導者たちの動きを見て、積極的に自分に取り込めるものはないか、そう考えながら過ごしています。
地元に戻り、北陸地方のバレーボール関係者の方々と関わる機会が増えているので、自分が還元できることも今後増えてくるのかなと想像しています。なので、これからは今までできなかったことをやっていきたいです」
指導の現場に限らず、それこそモンゴルでまさかの選手に復帰したように、自身が予想もしていなかったことがこの先の人生でもやってくるかもしれない。それでも、すべてが越川優にとってはチャレンジそのものである。
(了/文中敬称略)
【profile】
越川優(こしかわ・ゆう)
1984年6月30日生まれ、石川県出身。189cm。ポジションはアウトサイドヒッター。元日本代表。2003年に岡谷工業高からサントリーサンバーズに入団。高い得点能力と破壊力抜群のジャンプサーブを武器に、長年にわたり日本代表のエースとして活躍した。2008年の北京オリンピック出場やイタリア・セリエAでのプレーを経て、2022年に一度現役を引退。しかし2025年、モンゴル・プレミアリーグのアルタイ・バルスでプレーイングコーチとして電撃復帰を果たし、チームを準優勝に導く。今後もさらなる高みを目指し続けるレジェンドアタッカー。
著者プロフィール
坂口功将 (さかぐち・こうすけ)
1988年生まれ。兵庫県出身。関西学院大学時代に「スポーツを
取材する」ことの虜になり、不動産会社を経て2016年春から日 本文化出版(株)「月刊バレーボール」編集部で勤務。 2023年末に独立し、バレーボールを中心に取材・ 執筆活動を行なう。小学生から大学生、国内外のクラブリーグにナシ ョナルチームと幅広いカテゴリーを扱うほか、 バレーボール関連の配信番組への出演やイタリア・セリエAの解説 も務める。
【写真】元バレーボール日本代表・木村沙織インタビューカット集
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