【男子バレー】髙橋藍が語る「エースの役割」 最後の1点を取りきりサントリーサンバーズ大阪を決勝へ (3ページ目)
ふたりはもともと代表でチームメイトだけに連係面の問題はなかったが、試合を重ねることで確実に信頼関係は増した。たとえば第1戦の2セット目の21-21と拮抗した場面で、ほとんど視野に入らないところから関田のトスが上がり、髙橋は1枚になったブロックの脇に打ち込んでいた。
「関田さんが託してくれる、というのは自分が信頼されているからで、その役割を果たせてよかったと思いますね」
髙橋はそう言うが、ベスト6(アウトサイドヒッター)やベストレシーブ賞に選ばれた昨シーズンの数字以上の成績を叩き出したのは、エースの気概と言える。攻撃だけでなく、守備の数字も上がっている。王者のエースとして周りからも研究されていただろうが、チームをレギュラーシーズン1位に押し上げる中心を担っている。
5月15日、横浜。王者サンバーズは大阪ブルテオンと雌雄を決する。エースの存在価値が問われる。
髙橋は来るべきファイナルに向けて語っている。
「リーグ連覇については考えすぎず、1試合、1試合を戦っていけるように......。昨シーズンは優勝していますが、決勝に行ったからといって優勝できるわけじゃないので」
野心と達観のバランスに、超然としたスターの肖像が浮かぶのだ。
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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