【女子バレー】SVリーグ新女王SAGA久光を牽引 荒木彩花が体現した「やられたらやり返せ」 (3ページ目)
2020年に久光に入団した荒木は、誰よりも"練習の虫"で、チームメイトが目を丸くするほどだった。限界以上に自分を追い込んできたからこそ、ケガも多くなったと言われる。2021年に右膝外側半月板を損傷した後、2023年には右足首靭帯を損傷。2024年には左手を骨折した。それぞれ復帰まで数カ月から1年かかる大ケガだった。
そのたびに立ち上がってきた彼女は不屈だ。
昨年のインタビューで、荒木はこう明かしていた。
「足首のケガはパリオリンピック予選前で精神的にしんどかったです。膝もそうですが、足首はジャンプに影響するので時間がかかって......。左膝も手術し、十分に両足が使えない状態でした。復帰しても高さが出ず、感覚が戻るのに1年以上かかり......ケガでつらくて、バレーから離れようと思った時期もあります。でも、『今だけの感情』と踏みとどまれました。もしバレーをやめたら、他の選手が活躍する姿を見た時、純粋に喜べないと思って。それに、自分がコートに戻った姿を考えたほうがウキウキしたんです! おかげで今もバレーを続けられています」
そんな生き方が結実したのが、SVリーグ女王の称号だったのかもしれない。
優勝後、壇上でチームメイトたちと並ぶ荒木は無邪気で、喜びに満ちていた。少し照れたようにカメラに向かってポーズを決めた。慈愛深く、まばゆい姿だった。
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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