【SVリーグ】最大の強敵は自分自身と話すムセルスキー「そんな手強い相手に打ち勝つには、練習するしかない」 (2ページ目)
【「アスリートは今この瞬間がすべて」】
15歳でプロになり、大学でスポーツを学びながらプレーを続け、21歳でロシア代表に初招集され、以降は毎年のように大きなタイトルを手にしてきた。代表としては五輪、ワールドカップ、ワールドリーグ、ネーションズリーグ、欧州選手権、クラブレベルではチャンピオンズリーグ、クラブ世界選手権、ロシア・スーパーリーグ、SVリーグ、加えてそれらの大会でベストミドルブロッカー、ベストサーバー、ベストオポジット、最優秀選手賞など──手にしていない称号はほとんどなさそうだ。
そんなトップ中のトッププレーヤーが、29歳の時にサントリーサンバーズ大阪に入団した。当時のVリーグのレベルをどう感じたのだろうか。
「まず、選手の敏捷性と試合全体のスピードに好印象を抱いた。また誰もが実に利他的で、スター選手でもディフェンスに精を出すところもいいと思った。それらは日本のバレーボールの強みだ。冒頭で話したように、年々、日本代表が強くなっていると感じていたのだが、その理由はまさにこうしたところに見出せるのだとわかった」
日本人選手で特に目を引いた選手はいたのだろうか──と、用意した質問を投げかけながら、もうその時にはどんな答えが返ってくるかはなんとなくわかっていた。
「私はすべての選手をリスペクトしている。トップレベルでは、誰もが光るものを持っているものだ。少年時代から自分にはアイドルと憧れた選手がいなかったように、誰かひとりに注目することはないんだ。もちろん、日本には国際的に名の通る選手や、実に優れた選手がいる。ただし私の考えでは、完璧な選手などどこにもいないし、アスリートは今この瞬間がすべてだと信じている」
──それはどういう意味でしょうか。
「私は20年超の長いキャリアで、多くのすばらしい選手を見てきたが、何かの拍子にいなくなった選手を何人も見てきた。怪我やコンディション不良といったフィジカルの問題だけでなく、プライベートで不運に見舞われたり、メンタルに不調をきたして消えていった選手たちを。だから、アスリートは現在がすべてだと、私は考える。そして私はいまこの瞬間に輝いているすべての選手から、何かを学ぼうとしている」
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