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【SVリーグ開幕】代表を経験しても「今の自分に手の届くレベルではない」 着実な成長を誓うWD名古屋の山崎彰都 (2ページ目)

  • 市川忍●取材・文 text by Ichikawa Shinobu

【初出場したネーションズリーグで「自分に足りないものを実感」】

 2025年度はオリンピックの翌年で、新たにロラン・ティリ監督が就任したばかりということもあり、様々な選手が代表候補として呼ばれた。山崎は「自分もその中の一人だ」という感覚だったと振り返る。

「ネーションズリーグに出場したのが初めてだったので、自分に足りないものも実感できました。そのあと世界選手権に選ばれた選手たちのプレーを見ると、国際舞台での経験に差があると感じました」

 強豪国を相手にプレーをしたことで、自分の現在地を知ることができたという。

「自分にはブロックをはじき飛ばすようなパワーが、もっと必要だと思いました。国内リーグの日本人相手だったら決まったはずだけど、外国人相手だと決められなかったという攻撃が何本かありました。それを知ることができたのはよかったと思っています」

 そして国際舞台で経験を積むことの大切さも感じた。

「ブルガリアラウンドで出場したとき、相手チームにとって僕は『初めまして』の存在でした。だから決まったというのもあったと思います。決まった攻撃の9割は、相手が僕の特徴を知らなかったから。何度も対戦する国内リーグとは違います」

 だからこそ、そんな状況でもスパイクを決められる代表選手たちの凄みを痛感した。

「スパイクのコースはもっと選択肢を増やしたいですし、コーナーの奥に打つなどの技も必要。相手のブロックがどこについたらいいのか迷うくらい、幅を広げたいと思います」

 日本代表への思いを尋ねると、長い時間、熟考して率直に語った。

「オリンピックのような大きな大会に出て活躍するのは、普通の競技者にしたら最大の目標なのかもしれませんが、僕個人としてはそういう大会に出るよりも、今は自分のバレーボールのレベルを少しでも上げることが大切だと思っています。

 もちろんオリンピックに出たり、メダルを獲るというのは、誰にとってもうれしい経験だし、僕もそれが叶うなら......とは思うのですが、今の自分を見たときに、現実的にはまだまだそういうところに手が届くレベルではない。今はそういう目標を掲げられる選手に少しでも近づけるよう、まずは自分のバレーボールのレベルを上げて、国内リーグのレベルを上げることに集中したい。そうやってレベルの高いなかでバレーボールをプレーし続けることが、自分にとってプラスになると思います」

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