【女子バレー】SVリーグ初代女王が連敗発進 「波乱」を起こしたヴィクトリーナ姫路のふたり (2ページ目)
【最多得点を挙げた宮部藍梨】
SVリーグのコートで躍動した大島は、記念すべき日をこう振り返っている。
「6月から合流し、今日で4カ月目くらい。仕事をしながらプレーするのとはまた違うハードさですが、バレーにフォーカスできています。チームのみんなのストイックさも見て、新しく入ったなかでも"劣るわけにいかない"って思っていたので、今日は勝つことができてホッとしています。ようやく、SVリーガーの一歩を踏み出せました」
宮部も、オポジットとして輝きを放っている。
3セット目の終盤から、相手セッターの塩出を潰すようなスパイクを入れ、徐々に真価が見えてきた。4セット目からは対空時間の長いジャンプで、高めでセカンドテンポの大島のトスをストレート、クロスに打ち分け、ブロックアウトやプッシュにも成功。無双状態に入った。ファイナルセットはことごとく得点につなげ、両チーム最多の31得点(ブロック3本を含む)だ。
「1、2セット目は、個人的に全然ダメでした」
宮部は言う。
「スパイクが決まっていないし、オポの仕事が最初できていなくて。レフトのカミーラにトスが集まり、負担をかけてしまって反省ですね。後半になってスパイクも決まり、レシーブも上がり"すごいよかった"とは言いたくない(出来)ですが、ある程度のプレーは見せられたし、今後は1セット目から(本来のプレーを)出せればと思います」
ふたりが才能を解き放ったチームは強かった。相乗効果で、他の選手も躍動した。たとえばミドルブロッカーの伊藤麻緒は丹念におとりとなって跳びながら、クイックも次々に決め、マッチポイントのブロックは出色だった。大型外国人選手たちを相手にしても制空権を譲っていない。
「かわいいだけじゃだめですか?」と、会見でアイドルグループのヒット曲にかけた挨拶をして、一躍、人気者になった野中瑠衣は、その印象と逆に実直なプレーをしていた。オポジットだが、リベロ並みのレシーブを披露。リリーフレシーバーのような役もこなし、チームに貢献していた。かわいいだけではない。
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