【男子バレー】山本智大が苦杯を喫した世界バレーを総括 「日本もしっかりサーブを打てるようにしないと...」 (3ページ目)
山本は冷静に試合を分析した。まずはサーブが生命線だ。
「トルコ、カナダに負けて、自分たちも完成度は高くなかったですけど、どちらも強いチームだと感じました。日本だけでなく、イタリアも負けて(予選リーグのベルギー戦に敗戦)、世界選手権はVNLとは違う独特さも感じましたね。僕らが世界から注目されるチームなっているなか、これからは研究してきた相手を跳ね返すメンタリティも必要になるかなって思いますね」
山本は大会をそう総括した。帰国後は1週間ほど休んで、SVリーグ開幕に備えるという。バレー漬けの日々だ。
「(フランス代表のセッターで大阪ブルテオンに入団が決まっているアントワーヌ・)ブリザールは同い歳で、個人的に一緒にできるのは楽しみです! 世界屈指のセッターで、世界観が変わるかなって。長身セッターでレセプションのボールもいろいろと出せて、高いところも届くはずなので」
山本はそう言って目尻を下げ、口角を上げた。人を安心させる輪郭だった。それがリベロの肖像かもしれない。
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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