木村沙織は今の女子バレー日本代表をどう見る? 主将・石川真佑の笑顔が「応援したくなるムードをつくり出している」 (3ページ目)
【石川真佑とアクバシュ監督が生み出す明るいムード】
ーー明るさの象徴と言えるのが、新たにキャプテンに指名された石川選手です。パリ五輪ではどこか硬さが見え、力を発揮しきれなかった気がします。それが今のチームではリーダーの顔を見せているし、彼女自身からもバレーが楽しいという気持ちが伝わってきます。
石川選手の場合は、イタリアでのプレー経験(※昨季、ノヴァーラでCEVチャレンジカップ優勝)も自信になっていると思います。そして五輪を2度経験して、自分がどういう選手にならないといけないのかがわかっているはず。新代表チームのキャプテンを託されたこともひとつの転機になっているのでしょうね。
彼女は下北沢成徳高時代にもキャプテンをやっているし、上手に言葉で伝えるようなタイプじゃないかもしれないけどプレーで引っ張っていると思います。何より、明るい笑顔がみんなを引き寄せている気がします。アクバシュ監督のキャラクターともマッチしていて、女子バレーを応援したいというムードをつくり出しています。
ーーアクバシュ監督は、木村さんがプレーしていたトルコのワクフバンク・テュルクテレコム時代にはコーチだったそうですが、就任早々チームに変化を生み出しています。
アクバシュ監督になって、彼に選ばれた選手たちが集合して、すぐにネーションズリーグがスタートすることになりましたが、すごく雰囲気はいいですね! 監督はいろんな選手を試しているし、選手のほうも「どんな監督なんだろう」ってなると思うのですが、練習や試合を重ねるなかで、お互いがよい刺激を受けながら、相乗効果を生み出している気がします。
アクバシュ監督は私もトルコで一緒でしたが、真面目な方で日本語もすごく勉強しているし、選手のフォローも上手。選手のプレーがうまくいかなくて外す時も、ひと言を添えてくれるそうですから、選手として「これで終わりじゃない」って思えるんですよ。「今日はダメだった」で終わらない、終わらせない姿勢が監督としてすばらしいなと私は思います。
【profile】
木村沙織 きむら・さおり/1986年生まれ、東京都出身。2003年、アジア選手権で代表デビュー。2005年、東レアローズに入団。2012年ロンドン五輪で銅メダル獲得。2012年に世界最高峰リーグであるトルコの「ワクフバンク」に移籍し、ヨーロッパチャンピンズリーグ優勝を経験。2016年リオデジャネイロ五輪でキャプテンとしてチームを牽引した。2017年に引退。現在は、子育てとともにメディア出演などマルチに活躍する。夫は元バレーボール選手の日高裕次郎氏。
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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