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【男子バレーボール】石川祐希が欧州王者の一員として凱旋 SVリーグ王者・サンバーズ戦への意気込みを語る (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki

【「注目ポイントは、攻撃のイタリア、守備の日本」】

「注目ポイントは、攻撃のイタリア、守備の日本ということになるでしょうか」

 石川はそう見どころを語った。矛と盾の対決となるか。

「今回の一戦は(フジテレビ系で)テレビ放送もしてもらえるということで。こういう機会はあまりないので、選手としてうれしく思っています。ペルージャの選手たちも、日本に来られることを楽しみにしていて。イタリアと日本のクラブチームがこうして対戦するのは初めてのことですし、イタリアのバレーの迫力とか、日本のディフェンス力はぜひ観てもらいたいですね」

 メディアやファンは、石川対髙橋の対決構図にも注目している。

「彼(髙橋藍)はディフェンス力がある選手で。彼がいることによって、チームのディフェンス力が上がる。攻守の要と言える選手で、そこは代表でやっているときと変わらないと思います。サンバーズの武器は、まさに"ボールが落ちない"ところにあると思いますが、自分たちイタリアのチームは、そういう対戦相手をあまり経験していない。どれだけ粘られるか(崩せるか)、そこが勝負になるかもしれません」

 そう展望を語る石川は、世界最高峰リーグでさまざまなブロックやレシーブを打ち抜いてきた。チャンピオンズリーグ優勝はひとつの集大成だ。

 石川とともに会見に出席した髙橋は、「石川選手が(チャンピオンズリーグで)優勝されたのは、自分自身では"本当にすごいこと"で」と、石川に敬意を示す。

「それが、バレー界ではまだまだ伝わっていないと思っています。だから今回こうした試合ができることで、イタリアのレベルの高さ、面白さをもっと伝えられたらいいですね。お互いのバレー界に影響を与えられたら、と思っています」

 代表では盟友のふたりは、敵同士としてはほぼ初めての対戦となる。髙橋がイタリアでプレーした時代に対戦があったが、それぞれがケガを負っていた。ふたりの対決が、どんな化学反応を起こすか。それは男子バレー人気をさらに高めるに違いない。

「SVリーグが開幕し、日本国内で"バレーを盛り上げていこう"となっているなか、僕たちペルージャが王者サントリーと戦えるのはうれしいことで。とても新鮮な試合になると思います」

 石川の口調は熱を帯びていく。

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