石川祐希や髙橋藍らを育てた経験をSVリーグでも生かす 松永理生コーチはサントリーサンバーズ大阪で「指導者の価値を高めたい」 (2ページ目)
――かなりハードスケジュールですね。
松永 休みはいらない、という感じですね(笑)。とにかくバレーが好きなので、いろんなところに行きたいし、いろんなバレーの形を知りたい。高校、大学という教育カテゴリーで勉強させていただき、経験してきたものもあるので、そこから企業やトップチームを見た時に新たな気づきもあるはず。僕が現役選手だった頃と比べて、VリーグからSVリーグになり、それぞれの企業が努力を重ねるなか、サントリーさんは非常にいい方向へ向かっていると感じますし、さらに好循環を作ろうとしている組織に僕がアクセントを与えられればいいな、と。
同級生の梅川(大介・駿台学園前監督)が大阪ブルテオンに行き、アカデミーダイレクターという立場で僕と同じようにアンダーカテゴリーに関わるのも、僕にとってはうれしいこと。一緒に指導者の価値を高め、よりよいものを作っていけたらいいなと思います。
【まずは「バレーボールって楽しい」と思ってもらうことが大事】
――実際にU15の選手たちはもちろんですが、石川祐希選手や関田誠大選手、髙橋藍選手の指導にも携わった松永さんが、どのように小学生の指導をしているのでしょうか?
松永 成長していくスピードが、小学生と中学生とでは全然違うので面白いですよ。U15は「うまくなりたい」というのももちろんですが、「クラブとして勝ちたい」という目標を持った選手も集まっているのに対して、小学生は初めてバレーボールに触る子もいます。まずは「バレーボールって楽しい」と思ってもらうことが一番大事だと思うので、僕がやるべきは、これまでの指導で培った方法や「言葉」を使って楽しさを伝えることです。
例えば、ゴム跳びをしながら「バンザイして跳んでごらん」とジャンプしてもらう。それもスパイクにつながる動きだし、ちょっとずつ高く跳べるようになると目を輝かせて何度だってやるんです。「高く跳べるようになったよ」と声をかけるとうれしそうだし、1時間の練習が終わると「足りない! 来週も来る!」と通ってくれる子たちがほとんどです。最初から勝つこと、うまくなることだけを目指すのではなく、楽しんで好きになる。そこから、それぞれが目標を見つけて進んでいけばいいし、トップにもつながっていく流れが作れると思います。
2 / 3