背番号「4」のキャプテン石川真佑の笑顔から伝わる充実感「ハイセットは自分の強みだし、打ち続けてきたから今がある」 (2ページ目)
【今につながっている成徳のバレー】
石川の背番号は「4」。これまで、女子バレー日本代表の主将は「3」をつけることが多かった。最初は竹下佳江がつけた「3」を背負いたい、と継承された番号だったが、そのあとも日本代表の主将イコール3番、といっても過言ではないほど浸透してきた。
2028年ロサンゼルス五輪に向け、フェルハト・アクバシュ監督のもと始動した新生日本代表で、石川が主将に抜擢された。これまでの流れならば、石川も「3」をつけるのかと思いきや、選んだのは「4」だった。もちろん理由がある。
「(下北沢)成徳の時につけていたのが4番だったので、それからは日本代表でも(イタリアの)所属チームでも自分が選べる時は4番がいいな、って。やっぱり自分にとっては原点だし、成徳でやってきたことが、今にもつながっていると思うんです」
成徳のバレーが今にもつながる――。
石川の言葉を聞き、まさに、と思うシーンが何度もある。サーブ戦術が高まる近年、セッターへピタリと返すパスを理想としながらも、現実的には難しい。返球が多少離れてもそこからコンビを使うのはもちろんだが、セッターがトスを上げるのがやっとという状況や、セッター以外の選手がトスを上げる場面も珍しくない。
たいていの場合、まずはアタッカーを打たせるために高いトスを上げることが多く、相手ブロックも揃った状況で高いトスからの攻撃をどう決めるか、アタッカーの技量が試される状況なのだが、このハイセットを打つ、という一見すればシンプルで実は難しい攻撃は、石川にとってむしろ得意とするプレーだった。
「ちょっとタイミングがズレたり、自分の感覚が崩れた時にあえてハイセットを打つことで、感覚を取り戻したい、というのはあります。速いトスを打つよりも高いトスを打つほうが難しくて、すぐできることではないんですけど、私の場合は高校時代に高いトスを打ってきたので、自分の感覚を確かめる時にはハイセットを打つほうがいい。それが自分の強みだし、打ち続けてきたから今がある。それは間違いないです」
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