イタリアでの石川祐希との対戦 大塚達宣が感じた「日本代表の時とはまた違う」振る舞いや表情の意味 (3ページ目)
逆に、少しでもモチベーションが低いような姿や表情を浮かべていると、『今日の大塚はどうしたんだ?』と周りに気を遣わせてしまいます。まだまだ100パーセントの言葉で伝えられない分、ジェスチャーも交えてコミュニケーションをとることが大事だと考えています」
――すでに海外でプレーすることに慣れた印象ですね。
「実際にこっちに来て思うのは、もし大学時代にイタリアに渡ったとしても3カ月の短期留学になるので、『もったいないな』『一瞬で終わっていただろうな』ということ。大学生の時点では自信もなかったので、このタイミングでよかったですね」
――すでに五輪を2度経験していますが、3年後のロサンゼルス五輪など、次のステップをどのように考えていますか?
「パリ五輪では東京大会と比べて選手としてできることも増えていましたし、満足している自分と、『もっともっとやれるようになりたい』と思っている自分がいました。次のロサンゼルス五輪までは、こうして海外でプレーしているのもそうですが、自分にとっては"いろいろと挑戦したい期間"です。
そうはいっても、『何が何でもロサンゼルス五輪のメンバーに残ってやるんだ』と気持ちが先走っているわけではなくて、今はセリエAでプレーしていること自体がとても楽しいですし、このミラノというチームで勝ちたい。さらに言えば、『今日教えてもらったことを、明日にトライしてみたい』という具合に、目の前のことひとつひとつに対して、とても充実感があるんです。その繰り返しだと思うので。もちろん最終的には五輪に行きたいですが、そこにたどり着くために日々コツコツやっていることは間違っていないと思っています」
【プロフィール】
大塚達宣(おおつか・たつのり)
2000年11月5日生まれ、大阪府出身。ミラノ(イタリア)所属。身長195cm。アウトサイドヒッター。公益財団法人日本バレーボール協会のJVAエリートアカデミー生として才能を発掘され、中学時代はパンサーズジュニアで全国制覇、洛南高校時代も3年時に春高優勝を果たした。早稲田大学でも下級生時からレギュラーを務め、日本一を経験。日本代表にも名前を連ね、五輪には東京大会とパリ大会の2度出場している。大学在学時から所属していたパナソニックパンサーズ(現・大阪ブルテオン)を昨季限りで退団し、2024-25シーズンはイタリア・セリエAのミラノでプレーする。
3 / 3