【ハイキュー‼×SVリーグ】デンソー大﨑琴未が学んだ「できるまでやる」精神と「この1点のため」に担う責任 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【大﨑が語る『ハイキュー‼』の魅力】

――『ハイキュー‼』、作品の魅力は?

「全部のキャラクターがよすぎて、それぞれに魅力があることですね。私はどのアニメにも"推し"がいるんですが、ハイキューだけは『この人』というのがなかなか選べない。それこそ、魅力かもしれません」

――共感や学んだシーンは?

「田中(龍之介)が『できるまでやればできる‼』と言うシーンを読んで『確かに』と思いました。"できない"ことは、できない段階で終えてしまっているから、"できない"ままなわけで。できるまでやり続ければできるんですよ(笑)。その言葉に触れてからは、練習で苦手なプレーあっても、"できない、無理"とは考えなくなりました。やり方にもよるんですけど、やり続ければできる。もっとうまくなりたいって考えて頑張ったら、いつかできるかもしれないから、諦めるのはもったいないって」

――印象に残った名言は?

「『できるまでやればできる‼』はもちろんですが、木兎(光太郎)がツッキー(月島蛍)に『"その瞬間"が有るか、無いかだ。――ただ もしもその瞬間が来たら それがお前がバレーにハマる瞬間だ』っていうセリフですかね。私がバレーが好きで、続ける理由でもあります。その瞬間を味わいたくて抜け出せないんだと、あらためて気づかされた言葉です」

――好きなキャラクター、ベスト3は?

「バレーを心底楽しんでいるキャラが好きですね。1位が田中、2位が木兎、そして3位が縁下(力)ですかね。縁下は、キャプテンがケガして離脱した時のレシーブ入った場面とか、たまらなかったです!」

――ベストゲームは?

「烏野と伊達工との練習試合です。あの時、烏野はいろいろうまくいかなくて、4セットずつを取り合って終わります。途中は雰囲気もよくなくなりますが、みんな何か変えようと前向きにもがくんです。うまくいかないのに、チームが落ち込んでいないっていいな、と思って。現実ではすごいストレスで、雰囲気が悪くなって余計にうまくいかなくなることが多い。だけど、この時の烏野はそうならずに成長しました。

 その後、春高バレーで稲荷崎と戦った時、(東峰)旭さんがタイミングをずらしてスパイクを打って決めたんですが、その練習試合からつながっていたんです。"巡り巡って生きている"感じがいいですね。あの練習試合なくして、あの勝ちはなかった!」

(連載7:デンソー川畑遥奈は『ハイキュー‼』の名言そのままに「楽しむ為」に強さを求め続けた>>)

【プロフィール】

大﨑琴未(おおさき・ことみ)

所属:デンソーエアリービーズ

2000年8月23日、島根県出身。180cm・ミドルブロッカー。小学5年生からバレーを始める。下北沢成徳高では、3年時にインターハイと国体の二冠を達成し、2019年に東レアローズに入団。2022-23シーズンは副キャプテンを務め、今年の6月にデンソーエアリービーズに入団した。日本代表としては、2019年に日本代表のB代表としてアジア選手権に出場して優勝に貢献した。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

【画像】SVリーガーたちが選んだ『ハイキュー‼』好きなキャラクターベスト3

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