【ハイキュー‼×SVリーグ】デンソー大﨑琴未が学んだ「できるまでやる」精神と「この1点のため」に担う責任 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 普段の彼女は愛らしい雰囲気を醸し出すが、コートではリハビリでも殺気を放っていた。

「バレーボールは、ボールを落としちゃいけない、持っちゃいけない、というのが基本なので、難しいなって思います。あと、ひとりの調子がよくても周りが悪かったら勝てないし、自分が悪くても周囲がよかったら勝てる。チーム力が試されるスポーツだなって。だからこそ、噛み合った瞬間は最高に楽しいんです! "負ける気がしない"って気持ちになるんですよ」

 無敵の境地だ。彼女の本性はそれを求める。

「私が今までバレーの練習を頑張ってきたのは、"この1点のためだった"というのがあって。(昨シーズンの)NECとのファイナルの5セット目、14点目をブロックしたんです! 結局、試合は負けちゃったんですけど、それを決めた時に"私が今までやってきたことは、すべて、この1点につながっていた"と思えたほどでした」

 大﨑は次の戦いに向かって生きていた。すべての経験を糧に。彼女はバレーに魅入られてしまったのだ。

【大﨑が語る『ハイキュー‼』の魅力】

――『ハイキュー‼』、作品の魅力は?

「全部のキャラクターがよすぎて、それぞれに魅力があることですね。私はどのアニメにも"推し"がいるんですが、ハイキューだけは『この人』というのがなかなか選べない。それこそ、魅力かもしれません」

――共感や学んだシーンは?

「田中(龍之介)が『できるまでやればできる‼』と言うシーンを読んで『確かに』と思いました。"できない"ことは、できない段階で終えてしまっているから、"できない"ままなわけで。できるまでやり続ければできるんですよ(笑)。その言葉に触れてからは、練習で苦手なプレーあっても、"できない、無理"とは考えなくなりました。やり方にもよるんですけど、やり続ければできる。もっとうまくなりたいって考えて頑張ったら、いつかできるかもしれないから、諦めるのはもったいないって」

――印象に残った名言は?

「『できるまでやればできる‼』はもちろんですが、木兎(光太郎)がツッキー(月島蛍)に『"その瞬間"が有るか、無いかだ。――ただ もしもその瞬間が来たら それがお前がバレーにハマる瞬間だ』っていうセリフですかね。私がバレーが好きで、続ける理由でもあります。その瞬間を味わいたくて抜け出せないんだと、あらためて気づかされた言葉です」

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