パリオリンピック男子バレー 髙橋藍の覚悟「ギアを上げていく」「1点も逃さない」 (3ページ目)
勝ち上がる算段はついているようだった。
「これからは"負ければ終わり"の戦いが始まります」
マイクに向かって語る髙橋の表情は決然としていた。取材希望の多い選手は大勢の報道陣が群がるため、ステレオスピーカーを通し、声が録音できるようになっている。
「正直、予選ラウンドが"通過するべき"と、一番プレッシャーのかかるところでした。東京五輪では予選ラウンド通過が目標でしたが、今回は金メダルが目標に変わっているので、通過できたことが準々決勝以降につながってくると思います。しんどく難しい戦いが続くはずで、今日みたいにセットの最初からリズムを掴まれるんじゃなく、こっちが掴んでいかないと。出だしからフルパフォーマンスで、"1点も逃さない"という自分たちのバレーを展開する必要があると思います」
8月5日の準々決勝。髙橋はさらなる変身を遂げる。
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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