石川祐希が明かすペルージャ移籍の真相 日本からのオファーもあったが「目標に向かって突き進むことを最優先」 (3ページ目)

  • 柄谷雅紀●取材・文 text by karaya masaki

【スタメン奪取のためにやるべきこと】

――石川選手はシーズン中も移籍市場で話題になっていましたが、どんな心境でしたか?

「実際には、シーズン終盤には移籍が決まっていましたが、僕の口からは言えませんでした。それでもミラノのために戦っていましたし、プレーオフ準決勝でペルージャを倒したかった、勝ちたかった、というのが本音です。

 僕の力でミラノを勝たせて、僕の力をアピールしたかった。昨季はプレーオフ準決勝で負けて、その悔しさがあったので、今季はペルージャを倒して何が何でも決勝に進みたかったですが......届きませんでしたね」

――ペルージャはプロトニツキ選手、セメニウク選手を筆頭に層が厚いチームです。どの部分で勝負し、スタメンを勝ち取ろうと思っていますか?

「そのふたりはディフェンスがいいので、その面では彼らと同じか、それ以上にやらなければいけないと思っています。僕も同じようにレシーブ、スパイク、サーブも打てるタイプなので、最低限そこは必要です。ペルージャはプレーオフ決勝の試合でも、ミスが多いと代えられてしまうことがあるので、ミスが少ないことが前提だと考えています。

 あとは、数字に表われないところ、たとえばリバウンドを取ったり、チームに対しての立ち振る舞いだったり、そこも意識したいですね。今季はシモーネ・ジャネッリ選手(イタリア)がチームをうまくまとめていましたけど、そこも一緒にできるようになればチームに欠かせない存在になれる。そういったところで、彼ら以上にアピールしたいです」

(後編:新天地での目標「日本人でも世界のトップになれるということを見せたい」>>)

【プロフィール】

◆石川祐希(いしかわ・ゆうき)

1995年12月11日生まれ、愛知県出身。イタリア・セリエAのミラノ所属。星城高校時代に2年連続で三冠(インターハイ・国体・春高バレー)を達成。2014年、中央大学1年時に日本代表に選出され、同年9月に代表デビューを飾った。大学在学中から短期派遣でセリエAでもプレーし、卒業後の2018-2019シーズンからプロ選手として同リーグで活躍。2021年には日本代表のキャプテンとして東京五輪に出場。29年ぶりの決勝トーナメント出場を果たした。

公式X(旧Twitter):@yuki14_official>> 公式Instagram>>

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著者プロフィール

  • 柄谷雅紀

    柄谷雅紀 (からや・まさき)

    スポーツ記者、ライター。1985年生まれ、大阪府出身。筑波大男子バレーボール部で全日本大学選手権など多くの大会で優勝した。卒業後の2008年から大手新聞社で事件や事故、裁判の取材を経験。転職した2013年からスポーツの取材に携わる。2018年平昌五輪、2021年東京五輪、2022年北京五輪を始め、多くの競技を現地で取材している。@masaki_karaya

【写真】石川祐希、髙橋藍も歓喜! 笑顔の日本男子バレー代表選手たち

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