女子バレー石川真佑がイタリアで気づいた世界との差「日本では経験できなかった」こととは

  • 坂口功将●取材・文 text & photo by Sakaguchi Kosuke

女子バレー日本代表

石川真佑インタビュー

 女子バレー日本代表が惜しくも五輪出場権を逃した昨秋のパリ五輪予選/ワールドカップ終了後、選手たちがクラブに戻ってプレーする2023-24シーズンも佳境に入っている。日本代表の石川真佑にとっては、イタリア・セリエA女子のフィレンツェでの1年目のシーズン。初めての海外でのプレーで感じる成長と、パリ五輪への出場権をかけた戦いを控える日本代表への意気込みを現地で聞いた。

今季からイタリア・セリエAのフィレンツェでプレーする石川今季からイタリア・セリエAのフィレンツェでプレーする石川この記事に関連する写真を見る

【「言葉」と「高さ」の壁】

――出国前には言葉に不安があったとのことですが、イタリアでの生活には慣れましたか?

「ばっちり......とは言えませんが、初めの頃よりはかなり慣れてきました。相手が言っていることは、何となく理解できるようにはなったかと。イタリア人選手に対してはできる限りイタリア語を、他国籍の選手には英語を使っています。

 ですが、『こう伝えたいけれど、この言葉は違うんだろうな』と思ったり、うまく伝えられないから自分の中でぐっと留めたりすることがありますし、言われたことをそのまま受け入れることもあります。そこまでプレーに影響するわけではありませんが、伝えられないもどかしさは少しストレスを感じることもありますね。とはいえ、少しずつ語学力が上がっている実感はあります」

――世界の高さを少しでも体感したい、という思いで臨んだ海外挑戦。コンスタントに一試合2桁得点を挙げていますが、攻撃面での手応えはいかがでしょうか。

「シーズン序盤は、本調子でなくてもうまくできていた部分はありました。それは相手が私のデータを持っていなかったことが理由のひとつだと思います。試合を重ねるごとに、相手のブロックやディフェンスが修正された印象です。対応された部分もあり、ミスやブロックシャットが増えて苦しい時期はありましたが、そこでいかに点数を取るかが私の課題でした」

――どうやって乗り越えたんですか?

「まずは、ミスを恐れずにプレーすること。加えて、これは私だけでなくチーム全体にも監督から伝えられていることですが、特にハイセットに関しては相手ブロックを利用すること。それらにトライしていこう、と意識してプレーしてきました」

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