高橋慶帆ら全日本インカレで躍動した大注目の男子バレー7選手 日本代表でも期待 (2ページ目)
【セリエAで技術を磨く選手も】
そのアジア競技大会に日本代表は、大会スケジュールの都合上、パリ五輪予選とは別編成のチーム、いわゆる"B代表"で臨んでいた。そちらも国内合宿や海外遠征を実施し、そこで各国代表との実戦を積んでいる。
高橋とともに現役大学生として参加したのが、早稲田大1年の麻野堅斗(あさの・けんと)だ。身長207cmの高さもさることながら、腕の長さが目立つ。日本代表には2022年度から登録されており、全国制覇を果たした東山高(京都)時代よりも「トスを高くしてもらい、相手ブロックの上から、なおかつ被ブロックされない打ち方を練習してきた」と進化してきた。
今回の全日本インカレでは、サウスポーから繰り出す決定力の高いクイックで優勝に貢献。決勝を振り返り、本人は「チーム(早稲田大)で磨いてきたブロックがなかなか発揮できなかった」と悔やんだが、チームメートのセッター前田凌吾(2年)は「代表から戻ってきてブロックが格段によくなった」と評価していた。
その麻野と同じミドルブロッカーで、今年は日本代表の合宿に参加したのが中央大3年生の澤田晶(さわだ・あきら)である。愛工大名電高(愛知)時代からポテンシャルを評価され、今年2月にはイタリア・セリエAのチステルナに練習生として入団。そこでは「周りには目標にしたい選手たちばかり。意識の差を痛感し、いい経験になりました」と話す。
日本代表には追加招集という形で、今夏にB代表に合流。「自分にとってはるか上の存在だったシニア代表が身近になりました。そこに入れるように努力を続けて、レギュラーを取れる選手になりたい」と目標を明確にした。
澤田がセリエAに渡ったのは中央大の海外派遣プロジェクトによるものであり、ほかにも4年生の藤原直也(ふじわら・なおや)が今春にヴェローナへ入団。藤原もアンダーエイジカテゴリーから着々とステップアップを遂げてきたひとりで、北嵯峨高(京都)時代に髙橋藍(日本体育大4年/モンツァ〔イタリア〕)らと全国高校選抜に入り、今年はFISUユニバーシティゲームズへの出場も果たした。
ヴェローナの同年代のチームメートで、ポジションが同じアウトサイドヒッターのロク・モジッチがスロベニア代表で堂々とエースを務めており、その姿に「自分もああいう舞台でやってみたいと刺激を受けています」と自身も日の丸を見据えている。高橋と同じジェイテクトSTINGSへの入団が決まっていて、ともにさらなる成長を目指す。
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