栗原恵が女子バレー日本代表を分析 課題だったミドルブロッカー陣など新戦力が躍動も「パリ五輪の予選でも活躍できるのか」

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • Photo by FIVB

【OQTを見据えての収穫と課題】

――2週目のブラジルラウンドはいかがでしたか?

栗原 ブラジルラウンドは、(名古屋ではコンディション不良でベンチ入りしなかった)石川真佑選手など、それまで出場していなかった選手が活躍しましたね。2戦目の相手の韓国はそれまで全敗でしたが、そういう追い込まれた相手にきっちりと勝ち切ることはとても大事です。

 同ラウンド4戦目、フルセットで勝利したアメリカ戦は和田選手と、セッター・柴田真果選手によるライトからの攻撃が素晴らしかった。これからどんな活躍をしてくれるのかな、というワクワク感が大きくなった一戦でした。

 ただ、ふたりとも相手チームにとってはデータが少ない選手だったと思うので、データが集まってきただろうなかで迎えるOQTでも活躍できるのかが気になります。相手のデータが少ない時の戦い方と、データが揃っている状態での戦い方はまったく違うので。

――柴田選手は、昨年のAVCカップにキャプテンで出場してMVPを受賞しました。ライトをよく使うセッターなのでしょうか。

栗原 いえ、「アメリカに対してはライトの攻撃が有効だ」とわかっていたんだと思います。私は現役の最後の年に、JTマーヴェラスで彼女と一緒にプレーしたんですが、データをしっかり見て、緻密に準備をする選手でした。和田選手は元チームメイトなのでトスを上げやすいということもあったでしょうけど、和田選手のライトからの攻撃は決定率がすごく高かったですし、それを踏まえて多用したんだと思います。

――ブラジルラウンドと、続くタイラウンドは2勝2敗で厳しい試合が続きました。

栗原 ブラジルラウンドはフルセットになったセルビア戦とドイツ戦を落として、最後のアメリカ戦もフルセットになったところでようやく勝てた。いい流れで終わったはずでしたが、タイに入ってからも第1戦のトルコ戦もフルセット勝ち。次のオランダ戦を落とすなど、確かに苦しみましたね。

 トルコ戦では宮部藍梨選手をスタメンで起用したり、セッターもガラッと変えるなど、いろんなタイプの選手を使いましたね。眞鍋政義監督には、OQTやその先のパリ五輪に向けていろんな選手にチャンスを与えようという意図があったんでしょう。

 ただ、代わって入る選手に少し動揺が見られる場面があったというか、ゲームの中でコンビを合わせられない間に相手に先行されてしまうことも多かった。リズムを取り戻そうとまた別の選手を投入すると、その選手と合わせようとしている間にやはり走られてしまう。苦しい時間が長かった印象がありました。

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