春高バレーの優勝候補と注目選手をチェック。女子は大友愛の娘、男子は2m超えの左利きミドルブロッカーにも期待 (2ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

 かつてはエースの舛本颯真(3年/182cm/アウトサイドヒッター)が打って打って打ちまくる、「戦術舛本」とも言われるほどのワンマンバレーだった。しかし国体では舛本が右足を痛めたこともあり、適度に他のアタッカーにもトスが散らされ、勝負どころで舛本が決める新たな得点パターンが築かれた。舛本も「平田悠真(3年)、井坂太郎(2年)が打ちきってくれたので、自分も最後に力を振り絞れた」と仲間をたたえた。

 迎える最後の春高。イエローのユニフォームもお馴染みの、伝統の強豪校ゆえのプレッシャーもあるだろうが、年度をまたいでの3冠を達成できるか。セッター平川天翔(3年)のトスワークとともに注目したい。

 ダークホース的な注目校は、春高初出場の昇陽高校(大阪)。昇陽中学3年時にJOC杯で優勝し、全日本中学選抜でもプレーした逸材の秦健太郎(3年/193cm/アウトサイドヒッター)がチームを牽引する。秦は「強いチームを倒して日本一になる」という目標を掲げて昇陽に進学。3年目で全国の切符を掴み、「初めてなので楽しんでやります」と屈託なく答える18歳の躍動と、「初出場で初優勝」にも期待もかかる。

 そのほか、インターハイ準優勝の東福岡、インターハイ、国体ともにベスト4で天皇杯にも出場した松本国際高校(長野)も虎視眈々と上位を狙う。

 一方の女子は、インターハイ優勝、国体3位の金蘭会高校(大阪)が優勝候補の筆頭に挙がる。U20代表にも選ばれた上村杏菜(2年/168cm/アウトサイドヒッター)は「身長は関係ないというところを見せたい」と話す強気のスパイカー。昨夏に行なわれたアジアU20大会では相手国の高いブロックを次々に打ち破り、チームを優勝に導いてMVPを受賞。そこで自信がついたのか、インターハイでも高校生トップクラスのパワフルなスパイクで、金蘭会を8年ぶりの日本一に導いた。

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