川合俊一会長が進める日本バレー改革。人気復興のため協会・選手は何をすべきか?「目立つことをやる選手が現れれば...」 (3ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • 松永光希●撮影 photo by Matsunaga Koki

――それで女性ファンが一気に増えましたね。

「雑誌に取り上げられるようになってから、女性ファンが試合会場にもたくさん来るようになりました。そうすると、お目当ての選手以外のファンにもなるんですよ。僕を応援しにきた人が熊田康則や、井上謙のファンにもなったりその逆もあったり。本当にどこに試合をしにいってもファンがいっぱいいました。 "スポーツマンっぽくない"からこそブームになったんでしょう。日本バレーボール協会が戦略的にやったわけではないですけどね。

 これまで協会は、バレー人気を上げるための活動が活発じゃなかった。例えば"メグカナ"といったキャッチフレーズがあるだけでも人気は上がるものですが、そういうものもマスコミがつけていましたからね。2015年に男子バレーで人気になった"NEXT4"も、マスコミと当時の監督が一緒に考えて出したものですし」

――今後は、協会もより積極的に施策を実行していくんでしょうか。

「それはもちろんですが、選手個人の人気を高める頑張りも必要だと思います。MLBの大谷翔平選手だって、所属チームのロサンゼルス・エンゼルスが人気者にしようとしているわけではなく、大谷選手の圧倒的なパフォーマンスがあってこそ。昔だとカズ(三浦知良)も、サッカー協会が何かをやったわけではなくて、自分でスーツを揃えるなどプレー以外のところでも存在感を出していた。

 1、2人でも、今の時代に合った目立つことをやる選手が現れると、注目度はかなり上がるはず。ここ最近は男子バレーも強くなってきて、正当な形で人気が出てきているのを感じます。僕が選手だった時も弱くはなかったんですが......毎年、日ソ対抗と日米対抗というのがあって、世界のトップとの試合だから勝てないわけです。あんな試合をしていたのに、よくファンの人はついてきてくれたなと思いますよ」

――苦しい試合を毎年のように見ていたら、ファンも心が折れそうですね。

「選手たちも折れますよ(笑)。せめてブラジルやポーランドなど、日本と強さのバランスが釣り合った国と試合がしたかったですね」

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