斎藤佑樹と狩野舞子が今だからこそ語れる現役時代「プレー以外の部分で注目されるのは辛かった」「実力ないのに容姿だけだよねって」 (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Saito Yuki

斎藤 本気で目指そうと思ったのは?

狩野 中学生になって、バレーボールの強豪校に入った時点で、「目指すべきところは代表なのかな」みたいな感じはあったかな。でも大きいだけの選手で、すごく下手くそだった。

「痛い」って言える雰囲気じゃなかった

斎藤 でも、中学3年の時に全日本の代表候補に選ばれたでしょ?

狩野 実力はなかったけど、将来の期待も込めて選んでもらったというのは、なんとなく自分でもわかっていて......だからプレッシャーは感じていたかな。高校の時もケガが多くて全然活躍できなかったし、いつ周りの期待に自分が追いつけるんだろうって。ホント悩んでばかりだった。

斎藤 その時からケガが多かったんだ。

狩野 多かったね。中学3年ぐらいからいろんなところをケガして、高校生の間はずっと腰が痛かった。

斎藤 それってなんでだと思う?

狩野 いろいろ要因はあると思うんだけど、一番は高校3年になるぐらいまでずっと身長が伸び続けていたのね。そんななか、自分では気づいていなかったけど、オーバーワークになっていたのかもしれない。どこかで「これくらいでは休めない」という思いがあって、知らず知らずのうちにバランスを崩したのかもしれない。

斎藤 当時は「痛い」って言える雰囲気じゃなかった?

狩野 言えなかったね。言わないことが当たり前みたいところはあったと思う。

斎藤 今でこそ、野球もケガに対して真正面から向き合っているけど、当時は痛くても言えなかった。野球もバレーボールも同じカテゴリーというか、当時は"根性"の時代だったよね。

狩野 そうそう。

斎藤 水は普通に飲めた?

狩野 そこも怪しかった(笑)。先生の機嫌がよければ"お水休憩"みたいなものがあったけど、やっぱり「いいよ」って言われるまで飲めない時代だった。

斎藤 YouTubeを見ていても、高校時代のつらい思い出がたくさん出てくるじゃない。

狩野 そうそういくらでも出てくる(笑)。いま振り返れば、ホントよく耐えられたと思う。

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