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「ラクに金を稼げる場所」だったVリーグに、世界トップクラスの外国人選手が集まる理由 (3ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

海外リーグに負けないレベルとギャランティ

 今年度、クビアクからポーランド代表の主将を引き継いだのが、2021-22シーズンの準優勝チームであるウルフドッグス名古屋に所属するバルトシュ・クレク(33歳)だ。

 2018年の世界選手権でMVPを受賞し、2020年に来日すると2020-21シーズンは得点王となって「ベスト6」も受賞。2021-22シーズンはウルフドッグスでも主将も務めた。

 クレクはクビアクと少年時代からの友人で、来日の際もクビアクに真っ先に相談したという。そこでVリーグの環境やレベル、生活のしやすさなども聞き、準備万全で臨めたことが活躍をあと押しした。今季も名古屋でプレーするが、「次こそファンのみなさんが望む結果を」とリーグ優勝を約束している。

 クレクは7月5日に大阪ラウンドが始まったネーションズリーグでもポーランド代表でプレー。予選ラウンドでは日本との対決はないが、上位8チーム(16チーム中)が進むファイナルラウンドで対決することになれば、日本にとっては強力なライバルになる。

 ジェイテクトSTINGSでも大物外国人選手がプレーしていた。2021-22シーズンまで2年プレーしていたのが、リオ五輪金メダリストの元ブラジル代表、フェリペ・フォンテレス(38歳)。フェリペは選手のキャリア初期の2007年に一度来日しており、2007-08シーズンにはパナソニックを36年ぶりの優勝に導いた。

 金メダリストとなってジェイテクトに入団する際は、「以前プレーしたこともあって日本には馴染みがありましたし、その時にバレーチームの置かれている環境や、治安がすばらしいこともわかっていました。だから、また日本でプレーしたいと思っていたんです」と述べた。2度目の来日はコロナ禍も重なりコンディションをうまく上げられず、世代交代を目指すチーム事情もあって実力どおりの成績は残せなかったが、シーズン最後の黒鷲旗では準優勝に貢献した。

 以前、日本は「年金リーグ」とも呼ばれ、ピークを過ぎた海外の選手が「ラクに金を稼げる場所」として認知されていた。筆者が海外で取材をしていた時にも、よく選手から「日本でプレーしたいのでチームを紹介してほしい」と声をかけられたものだ。しかし、ムセルスキーの言葉にもあったように、男子の日本代表が成長を遂げたことで、レベル的にも海外リーグに見劣りしないという評価ができつつあるようだ。

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