西田有志がイタリアで感じる「練習は量より質」。石川祐希に頼んだ「買い出し」や直接対決も語った (3ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by Massimiliano Natale

【美容院で経験した"日本人あるある"】

 そんな西田も、イタリアですぐに"先輩"になった。昨年12月、日体大2年の高橋藍がセリエAのパドバに加入。西田は髙橋がイタリアに着いた時に電話をかけ、アドバイスをしたという。

「藍が英語を話しているところをあまり見たことがなかったので、『コミュニケーションは大丈夫かな』と思ったんですが、通訳がいるとのことだったので、じゃあ大丈夫だろうと。もともと、すごくコミュニケーション能力がある選手ですから、今は溶け込んでいるでしょうね」

 当の西田に通訳がついていたのは、チーム合流後の3日間だけ。それでも「心配でしたけど、普通にコミュニケーションできましたね。最初は英語で、最近はバレーに関することはイタリア語でやり取りすることができます」と順応しているようだ。

 ただ、当初は思わぬところで言葉の壁を感じたという。西田は現在、金髪に近い形でパーマをかけている。美容院では自分でオーダーしているそうだが、初めて訪れた時は「角刈りにされました」と苦笑いした。実は、石川もイタリアに渡ったばかりの時は美容師に要望が伝わらず、同じように角刈りにされてしまった過去がある。

「最初はカットに関するイタリア語を覚えて、わからないところは英語で伝えたんですが、『日本人は頭の形がこうだから、この髪型は似合わないよ』と言われ、『じゃあ、もう勝手にして』と任せたら角刈りに......。イタリアでの"日本人あるある"なのかもしれませんね(笑)。いい経験になりました。2回目以降はうまくいっていますよ」

 プレーは最初から好調で、第6戦では、第7節11月21日のルーベ・チヴィタノーヴァ戦の第2セットで左足を負傷。そのまま途中退場となった。

「調子よくやれてると思っていた矢先でした。自分としては、ストレッチやウォームアップも十分にやって臨んだんですけどね。試合前は痛みもなく、その箇所が張っていたわけでもなかった。それでも、ああいうことが起こり得るんだと思いました」

 インタビューを行なった時点ではまだ復帰前だったが、「ジャンプもできて、高さも落ちているわけではなくいい形に戻ってきています。日本からトレーナーさんに来てもらって治療してもらっていましたが、昨日、ちょうど帰られたところです」と状況を語った。

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