江畑幸子が復帰を目指すも引退を決断したリアルな経緯。最後の練習では涙をこらえきれなかった (5ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari

 3月の引退会見の前に行なった最後の練習では、涙をこらえられなかったという。チームのスタッフからは「最後はボール練習をしてみたら?」と提案もされたようだが、多くの時間を共に過ごしたトレーナーと、泣きながらリハビリのメニューをこなした。

 引退後の活動については、「まだ具体的には決まっていない」としながらも、「バレーボールと関わることをやっていきたい」と話す。6月には、ネーションズリーグで解説デビューを果たした。

「解説は思っていたより難しくて、上手にできなかったです。(一緒に解説をした)眞鍋さんにも冗談交じりに『反省だな』とプレッシャーをかけられましたが、勉強してうまくできるようになりたいです。今の代表の選手たちは、いろいろ大変な状況な中で本当に頑張っていると思います。東京五輪は間近に迫っていますが、みんなが悔いのない戦いができるように願っています」

 強烈なバックアタックと、天性の勝負強さで輝きを放った江畑。コートを離れ、どんな形でバレー界を支えていくのか、その動向から目が離せない。

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