「やられた感じはなかった」坂口佳穂がトップペア相手に確かな手応え (2ページ目)

  • 小崎仁久●文 text by Kosaki Yoshihisa
  • 松永和章●撮影 photo by Matsunaga Kazuaki

 それでも、このタイムアウトで堅さの取れた坂口&村上礼華ペアは、そこから挽回を図る。身長165cmと小柄な村上めぐみにサーブを集め、相手の攻撃リズムを崩していく。そして、村上礼華のサーブ、坂口の強打が決まり始めると、点差も縮まって12-12と追いついた。

 中盤からは、ネット際に落とすドロップショットとエンドラインを狙ったディープショットを交互に繰り出し、石井&村上めぐみを前後に揺さぶっていく。坂口が「相手はディフェンスがうまいので、常に前後に動かし続けないといけない」と語った戦術が芽を出し始めた。

 その結果、14-12と逆転。後半は得点を先行し、点差を保ったまま終盤までゲームを進めた。

 ところが、トップランカーの石井&村上めぐみペアは、「普段のリズムではなかったが、我慢しながらプレーしていた」(石井)と、決して慌てることがなかった。村上めぐみが淡々とサイドアウトを切って、石井のスパイクが決まり始めると、坂口&村上礼華ペアの勢いも失速。トップランカーの巧みなゲーム運びに再び逆転を許してしまい、23-25で第1セットを失った。

 第2セットは、坂口&村上礼華ペアが巻き返しへ奮闘。序盤、坂口の強打は相手ブロックに止められるも、村上礼華のツーアタックなどトリッキーなプレーが光って、一進一退の攻防を続けた。コート奥への攻撃を有効的に使って、第1セットでは決められていた村上めぐみのショットにも対応し、10-8とリードした。

 しかし、女王ペアを下すことは容易ではなかった。村上礼華のディープショットがジャストアウトになって、14-16と点差をつけられると、試合の流れは石井&村上めぐみペアに傾いていった。石井の鋭いスパイク、村上めぐみの風をよく読んだサーブで得点を重ねられ、17-21。セットカウント0-2での敗戦となった。

 試合を振り返って、「サーブなど悪くはなかったが、ミスしてはいけないところでミスが出てしまった」と村上礼華。坂口も「勢いがないと勝てない相手。ミスが出たりして、その勢いが途切れ途切れになって、(自分たちの)流れを切ってしまった」と反省の弁を口にした。

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