2020.10.30

新鍋理沙が明かすメダル獲得の裏側。
ロンドン五輪の激闘を振り返る

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

女子バレー稀代のオールラウンダー
新鍋理沙が歩んだ道(4)


 元女子バレー日本代表・新鍋理沙のバレー人生を、本人の言葉と共に辿る短期連載。第4回は、2012年ロンドン五輪の戦いを振り返る。

日本女子バレーの「守備の要」として活躍した新鍋理沙 Photo by Kimura Masashi 2011年のワールドカップバレーで活躍した新鍋理沙は、翌年のロンドン五輪を戦う12名の日本代表メンバーにも名を連ねた。当時、チーム最年少の22歳だった新鍋は、「えっ」と頭が真っ白になったそうだが、「じわじわと『私、オリンピックに出られるんだ』という実感が湧いてきた」という。

 当時の代表で新鍋と同じポジション(ライト)には、もともとミドルブロッカーで、速さのある攻撃を得意とする29歳の山口舞がいた。6チーム総当たりで戦った予選リーグは試合ごとにスタメンを分け合ったが、山口が苦手とするサーブレシーブで崩される試合もあったことから、リーグの第5戦(vsイギリス戦)以降は全試合で新鍋が先発した。

「私にはユメさん(山口の愛称)みたいなプレーができないので、自分の役割をしっかり把握して、最低限それは果たそうという気持ちでいました。私に求められていたのは、やはりサーブレシーブです」

 前年のワールドカップ同様、当時の絶対エース・木村沙織を攻撃に専念させるための重要な役割だ。その後の日本代表でも"守備の要"としてチームに欠かせない選手になったが、新鍋が思うサーブレシーブのコツを次のように話した。

「私はサーブを正面で取るより、体をちょっと横にずらして取ることを意識していました。あとは、あごが上がらないようにして、ボールが当たる瞬間にちょっと腕を引くイメージです。正面で取ろうとすると、急に伸びるサーブがきた時にのけぞってしまいますが、横だと『調整ができる』という感じですかね。最後に体を逃がすこともできるので、体を横にずらすほうが(サーブを)取りやすいと個人的には思っていました」