西田有志、18歳で衝撃の代表デビュー。強豪・イタリアの指揮官も警戒 (3ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

 そんな西田のシニア代表デビューは、2018年5月25日、フランスのルーアンで行なわれたネーションズリーグ初戦。そのオーストラリア戦でスタメンに名を連ねると、4セットフルに出場して15得点を挙げた。

 同じくその試合にスタメン出場した柳田将洋は、今年5月に西田と行なったインスタライブで、「あの時の西田、試合前にめちゃくちゃ緊張してたよな(笑)」と当時を振り返った。西田も「いやー、かなり緊張しましたね」と苦笑して認めたが、試合が進むにつれてエンジンがかかり、セットカウント3-1の勝利に貢献した。

 大会2戦目のフランスとの試合は大竹が先発だったが、第1セットで大きくリードされた時点で西田に交代。試合には敗れたものの、やはり15得点を記録した。

 5週にわたって行なわれるネーションズリーグは、1週間で3試合をこなしながら世界各国を移動する過酷な大会。中垣内監督は疲労を考慮して選手を入れ替えながら戦ったが、オポジットは西田の起用が多くなっていった。

 大阪市立中央体育館で開催された第3週の「日本ラウンド」は、ブルガリア、ポーランドにストレートで敗れた後にイタリアと対戦。フル出場した西田は、サービスエース3本を含む24得点を挙げ、両チーム合わせてのベストスコアラーに輝き、チームはフルセットで勝利した。

 イタリアのジャンロレンツォ・ブレンジーニ監督は、試合の途中から、西田のサーブ順が来たタイミングでタイムアウトを取るようになった。試合後の会見で、ブレンジーニ監督は「彼のサーブは注意が必要なので、少しでもプレッシャーを与えたかった」と理由を明かした。

 それを聞いた西田は「光栄ですね」と胸を張った。敵将も警戒した新人サウスポーの活躍で、日本はフルセット勝ち。この時のイタリアはベストメンバーではなかったが、世界選手権を3連覇したことがある強豪を相手に、11年ぶりの勝利を飾った。

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