新鍋理沙が引退で大ピンチ。中田ジャパンは
でっかい穴をどう埋めるか
長らく女子バレー日本代表を支えてきた新鍋理沙が、6月30日付で現役を引退することを発表した。
身長175cmの新鍋はサイドアタッカーとしては小柄だが、攻撃は切れ味鋭く、何より安定感がある守備が最大の武器だった。ライト(セッター対角)で起用される彼女がサーブレシーブに入ることで、それを免除されたエース格の選手が攻撃に専念することができる。まさにチームの屋台骨を支える選手だった。
現役引退を発表した新鍋理沙 新鍋がブレイクを果たしたのは、久光製薬スプリングス2年目の2010-11シーズンでのこと。開幕からレギュラーとして活躍を続けて最優秀新人賞を受賞すると、20歳にして日本代表に初選出され、2012年のロンドン五輪にも出場した。
準々決勝の中国戦では、木村沙織、リベロの佐野優子らとサーブレシーブを担いながら、チーム3位の9得点を記録する。普段はおっとりした印象の新鍋が、この試合では叫び声を上げながらスパイクを打ち抜くなど、気迫あふれるプレーで勝利に大きく貢献した。準決勝ではブラジルにストレート負けを喫したものの、新鍋は韓国との3位決定戦でも活躍し、チームは28年ぶりとなる銅メダルを獲得した。
帰国後は久光製薬の中田久美監督に"攻守の要"として重用された。一時はケガの影響などもあって日本代表から離れたが、リオ五輪後、中田監督が代表監督に就任するとともに復帰を果たす。新鍋はのちのインタビューで、その時のことを「久美さんが代表監督にならなければ、バレーをやめようかと思っていました」と涙ながらに語っている。
新鍋は、中田ジャパンが掲げるテーマ「ワンフレームバレー(サーブレシーブを高く上げすぎずにセッターに返し、トスも速くして相手ブロックが完成する前に攻撃を仕掛けること)」に欠かせない選手だった。2017年のアジア選手権では優勝の原動力になり、MVPを獲得。攻撃力には陰りが見え始めていたものの、東京五輪でも主力として活躍すると思われていただけに、突然の引退発表に驚いたファンも多いだろう。
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