2020.05.18

石川真佑がルーキーの定石を覆す活躍。
W杯では逆境での起用に応えた

  • 高井みわ●取材・文 text by Takai Miwa
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

東京五輪&パラリンピック
注目アスリート「覚醒の時」
第7回 バレー・石川真佑 
鮮烈な日本代表デビューを果たしたW杯(2019年)

 アスリートの「覚醒の時」——。

 それはアスリート本人でも明確には認識できないものかもしれない。

 ただ、その選手に注目し、取材してきた者だからこそ「この時、持っている才能が大きく花開いた」と言える試合や場面に遭遇することがある。

 東京五輪での活躍が期待されるアスリートたちにとって、そのタイミングは果たしていつだったのか……。筆者が思う「その時」を紹介していく——。

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2019年W杯で鮮烈デビューを飾った石川真佑 最終戦の、最後のウイニングポイント――。まさに”有終の美”というべきスパイクが石川真佑から放たれた。

 2019年9月29日、丸善インテックアリーナ大阪で行なわれたワールドカップバレー(W杯)女子大会の対オランダ戦。全11試合の最終戦は、エース・石井優希らの活躍で日本が2セットを連取し、第3セットも先行していたものの、オランダのエースが徐々に調子を上げたこともあってセットを奪われた。

 第3セットでは後半で投入された石川だが、続く第4セットは早めの途中交代でコートに入る。相手ブロックを利用したスパイク、バックアタックなどで得点を重ねてオランダに傾きかけた流れを断ち切った。そしてマッチポイントから、セッターの宮下遥が上げた高いトスを打ち抜く。当時19歳の石川が、日本代表デビューの大会でブレイクしたことを象徴するような1本だった。