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全日本で石井優希が攻守の要に成長。
中田監督も「昨季とは全然違う」 (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 翌2018-2019シーズンも攻守で活躍し、チームをリーグ連覇に導いた。そこで大きな自信を得たのだろう。石井は「国内リーグでの経験が、今のプレーにつながっていると思います。これまでは力んで余裕がなくなり、相手が見えなくなってしまうことがありましたが、今はあまりないですね」と手応えを口にする。

 また、ネーションズリーグで好調だったディグ(スパイクレシーブ)についても、「自分の強みのひとつだと思っていますし、ブロックを抜けたところは後ろの選手が拾う責任がある。日本は粘ることができないと勝てないので、もっとディフェンスで貢献していきたい」と力強く語った。

 その自信は、全日本の攻撃にもいい効果をもたらしている。中田ジャパンでは昨季からバックアタックの数が増え、相手の守備に的を絞らせないための大きな武器になっている。もともと石井はパワフルなバックアタックが打てる選手ではあったが、サーブレシーブにまだ不安が残っていた昨季は、守備からバックアタックに移る難しさを感じていたという。

 しかし今季は、サーブ、スパイクレシーブのあとでも、強烈なバックアタックを打つ場面が多くなった。

「以前に比べて苦手意識はなくなっています。今年はセッターも積極的にバックアタックを使ってくれていますし、得点も取れている。攻撃枚数を増やすために有効ですから、後衛では積極的にバックアタックにいくようにしています」

 中田監督は就任当初からセッターの試行錯誤を続けており、今季も新人の関菜々巳、昨季の世界バレーメンバーから外れた佐藤美弥、リオ五輪に出場した宮下遥と、複数のセッターを起用している。アタッカーにとってはやりづらい状況にも思えるが、石井は「特徴が違うセッターに合わせるのもアタッカーの技術だと思っています」と頼もしい。

 そんな石井について、昨季には「今年が正念場」と厳しい表情で語っていた中田監督も、今季のプレーについては穏やかな表情で次のように評価した。

「石井は(5月の)モントルーバレーマスターズからずっと頑張っています。(ネーションズリーグの)東京ラウンドも悪くはなかったのですが、長丁場なので休ませました。今シーズンは攻守ともに非常に安定していて、昨シーズンまでとは全然違う。今後も続けていってほしいですし、『さらに!』という期待もあります」

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