意識に変化。石川祐希が語る
イタリアでのプロの道を選んだワケ (3ページ目)
――中垣内祐一監督と話す機会もまだ少ないですか?
「中垣内監督とは、かねてから『しっかりコンディションを整えてほしい』と話をしていました。その通りにいい状態で合流できたので、監督と(フィリップ・)ブランコーチから『ちゃんと時間をとってよかった』と言ってもらえました。リハビリ・トレーニングで自分を追い込むことができ、充実した時間を送ることができたと思います」
――石川選手がチームを離れている間に、全日本はイタリア相手に11年ぶりの勝利を挙げるなどしましたが、焦りはありませんでしたか?
「焦りは一切ありませんでした。日本の勝ち負けはもちろん気になりますけど、コンディションを整えることに集中していましたからからね。中途半端な状態で試合に出てもチームに貢献できないかもしれないし、ケガを悪化させてしまったらまたプレーができなくなってしまう。それはプロとして活動するうえでも大きなマイナスになってしまうので、今はしっかり休むことがベストな選択だと信じていました」
――久しぶりの全日本で、セリエAという世界トップクラスのリーグでの経験をどうチームに還元していこうと考えていますか?
「技術的にも精神的にも成長した姿を、言葉よりプレーで見せたいと思っています。とくに、選手の身長が高い強豪国と戦う際のメンタル面の重要さを伝えたいですね。イタリアのリーグで大きな選手を相手にしていると、常に"高さ"をイメージしてバレーができる。日本のVリーグでは外国人選手がチームにひとりはいますけど、国際試合では全員外国人選手なので、高さの違いに戸惑ってしまい、対応に時間がかかることもありますから」
――具体的にどういった準備をする必要があるのでしょうか。
「練習から高さを意識しておくことですね。わかりやすいところでは、相手のブロックを利用すること。日本では上から打てる選手も、国際試合ではそうはいかない。崩された場合は一度ブロックに当ててリバウンドを取るなど、さまざまな工夫をしなければ勝負になりません」
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