「ポスト・サオリン」には恐縮しつつ、東レ・黒後愛は全日本入りへ意欲 (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

――実際に小川先生の指導を受けた印象はどうでしたか?

「父に聞いていた通りでした。特に私たちが3年生のときは、本当に先生が話す機会が少なくて(笑)。だから、いざ先生が話をするとなると、みんな耳を澄ましていましたね。先生の言葉は一言一言が重くて、チームが行き詰まったときの大きな助けになりました。先生はいつも『チームを作るのは選手だ』と言っていましたが、その中心にはいつも小川先生がいるんだなと感じました」

――そんな小川先生のもとで春高連覇を果たすわけですが、3年生のときの黒後選手は「怖いキャプテンだった」とも聞きます。

「自分でも『よく怒っていたな』と思いますし、後輩からしたら怖かったでしょうね。でもそれは、私がきつく言わなくちゃいけないのを理解してくれる同級生がいたからできたことだと思います。『ちょっと言いすぎたかな』と思った部員へのフォローなどもしてくれたおかげで、キャプテンとして他人にも自分にも厳しくやれました。そうやって練習していくなかで、自分が引っ張らなくちゃいけないところと我慢すべきところを、自分なりに考えて判断しながらやれたと思います」

――今年は東レに入団して初めてVリーグを戦いますが、ライバルや目標とする選手は?

「金蘭会高のエースだった、あいり(宮部藍梨:神戸親和女子大学)は"戦友"という感じなんですが......ライバルだと、上尾メディックスに入団した高校の同級生のみゆき(堀江美志)ですかね。得意とするプレーや弱いところをお互いわかっている分、負けたくない気持ちも強いです。目標とする選手は......憧れになっちゃいますが、やっぱり木村沙織さんです!」

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