ああ、グラチャン全敗。それでも
中垣内ジャパンにかすかな光が見える (3ページ目)
この大竹を含め、今大会の全日本は身長2mを超える選手が5人揃っていることが話題になったが、中垣内監督が"チームの大型化"を進めようとする意図が見えた。その象徴が、東海大学4年で201cmの小野寺太志を、イラン戦の第4セットと最終戦のブラジル戦でほぼフル起用したことだ。
小野寺は、グラチャンバレーの約1カ月前に、ミドルブロッカーからレセプションアタッカー(サーブレシーブを担うアタッカー)へのコンバートを言い渡された。現代バレーにおいては、ミドルブロッカーは後衛でリベロと交代してサーブレシーブは行なわないため、レセプションの経験はほとんどない。かなりの"無茶ぶり"に、小野寺は泣きながらサーブレシーブの練習に励んだ。
コンバート間もない選手を、世界ランキング1位のブラジルとの試合でいきなり先発させたことについては賛否両論あるだろう。しかし、東京五輪での起用を見据え、少しでも早く世界トップのチームとの対戦を経験させたいという、中垣内監督の強い想いを感じた。
この試合後、ブラジルの主将であるブルーノ・レゼンデは、全日本について「前回(4年前の同大会)は、小さくて守備がいいチームという印象だったのが、今回は若くて高身長にしてきたなと感じた。このレベルの大会で勝っていくためには、その考え方は正しいと思う。今後、どんどんいいチームになるだろう」と述べた。
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