中垣内監督も「石川さまさま」と絶賛。男子バレーが全勝で世界選手権へ (3ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 浦川一憲●写真 photo by Urakawa Ikken

「(試合前に)特別な言葉をかけたわけじゃない。強いて言えば、昨日の試合が終わって、『そういえば石川、今シーズンはまだ1日も強いサーブを打ってないよな?』とは言いましたね。続けて『腰の具合がよくないのか?』と聞いたら、『それもあります』と答えたので、腰の具合がよくなったら強いサーブを打ってくれるなとは思っていました。

 もっとも、今日は前のサーバーが(ミスの少ない)出耒田敬(できた・たかし)で、サーブで思い切って攻めることができたというのが真相だと思います。これまでは、前が大竹(壱青)でサーブがミスになることが多く、連続でミスはできないので入れていくサーブになる。石川も『今日は出耒田さんなので、攻めていけた』と振り返っていました」(中垣内監督)

 石川は試合後、「今日の試合は何かスイッチが入ったのでしょうか」との質問に、「ワールドリーグの時はスイッチが入ったり切れたり、集中が持続できていませんでした。でも、この世界選手権予選は最初の台湾戦からここまで、『集中力を切らさずにやろう』と自分の中で目標を持っていて、それができたと思います。今日は他の3チームよりもレベルが高い相手だったので、さらに集中力も増しましたし、気持ちも高まりました」と涼しい顔で語った。

 今季でもっとも重要な大会の、一番大切な試合でベストのパフォーマンスを披露するあたりは、やはりエースである。相手が強くなっても萎縮することなく逆に集中力が増す。この境地にたどり着けるアスリートはそう多くないだろう。

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