負ければクビの前例あり。男子バレー中垣内監督が早くも正念場の戦い (2ページ目)

  • 中西美雁●文・撮影 text&photo by Nakanishi Mikari

 サトウ氏は、日本が世界選手権に連続出場していたことや、(自分のクビがかかった)大切な大会だということも知らなかったと語っていた。だが、中垣内監督にその釈明は通用しない。これまでも、「新生全日本」として若手中心で戦いながら、世界選手権予選だけはベテランを呼び戻して安全に出場権を獲りにいった例はいくつもあった。

 今大会も、本来は昨年までの主将、清水邦広を呼び戻す予定だった。しかし清水は昨季リーグ中に痛めた足首が、5月の黒鷲旗全日本男女選抜大会で再び悪化したため、招集に応じられないという。

 そのため、かつての全日本メンバーである大竹秀之のジュニア・大竹壱青がオポジット候補の最右翼だが、中垣内監督は「トランジションアタック(スパイクレシーブからのアタック)の決定率が非常に悪い」と苦言を呈す。つまり、こちらにサーブ権がある時の連続得点のチャンスが活かせないということだ。

 当の大竹は、全日本デビューを飾ったワールドリーグについて「ここで決めなくてはと緊張しすぎて、思ったようなプレーができない場面があったので、そこは修正していきたい。試合前にはモモクロを聴いて気分を上げています。世界選手権予選の前も聴くと思います」と、反省しつつも前を向く。

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