イタリア行き直前の石川祐希「バレーのスキルを2倍、3倍上げていく」 (4ページ目)

  • 中西美雁●文text by Nakanishi Mikari  松永光希●写真 photo by Matsunaga Koki


――戦術や技術の面で印象に残ったことはありますか?

石川 そんな詳しくは見てなかったです。自分は個人のスキルを上げていきたいと思っているので、自分と同じポジションのサイドアタッカーの選手を見ていました。「誰を」と絞って見ていたわけではないですけど。

 どの国のサイドの選手も、体格が自分より大きい。でも、その選手が(サイドアタッカーとしても)オフェンスタイプなのか、ディフェンスタイプなのかとか、ミスが多いけど流れをつかむのが上手な選手なのか、というあたりがわかってくる。

 例えばポーランドの(ミハウ・)クビアク(現パナソニックパンサーズ)とかは、そんなに上背があるわけでもないですが、ミスせずにうまく一球一球を処理して、勝負どころで点を取っていた。攻撃力だけというわけではなく、守備もすごくうまかった。そういうバランスも見ながら考えていました。

――大学1年の頃に「海外の選手で注目しているのは?」と聞いたら、「海外にはあまり興味がなくて......」と言っていましたね。最近は変わりましたか?

石川 それはまあ、自分自身が海外に行っているので、いろいろ映像を見たりするようにはなりました。特に誰に憧れて、といったものはないんですけどね。

――リオ五輪に出るためには何が足りなかったのでしょう。

石川 海外チームとの対戦試合数が、(前年の)ワールドカップ前よりは少なかったので、それがひとつかな。準備が足りなかったかなと思います。

――改めて、東京五輪への思いを聞かせてください。

石川 (日本は開催国枠で)出られることは決まっていますけど、出るだけでは終わらないように。やるからには、メダルを目指してやっていきたいと思います。

――そのためには石川選手自身は何をするべきと思っていますか?

石川 「何を」というのは、全日本のチームを作ってから変わってくると思う。ディフェンス、オフェンス、どっちもできるように、自分の持っているスキルを2倍3倍に上げていくのが、今やるべきことだと思っています。

(後編に続く)

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