【バレー】90年代のカリスマ「ガイチ」は沈む全日本を立て直せるか

  • 中西美雁●文・写真 text & photo by Nakanishi Mikari

 10月26日、全日本男女バレーボールチームの新監督が発表された。男子は往年の大エース中垣内祐一(48)。女子は「天才セッター」と呼ばれた中田久美(51)。いずれも元スター選手の就任となった。ふたりとも来年3月のリーグ終了までは堺ブレイザーズと久光製薬スプリングスに部長と総監督として所属する。両名とも契約は2年だが、2020年の東京五輪まで指揮を執ることが基本線だ。
全日本の監督に就任した中垣内祐一と中田久美全日本の監督に就任した中垣内祐一と中田久美
 中田監督はVリーグの実績から、次期監督の候補として以前から名前が挙がっていた。一方、中垣内監督はここ数年現場を離れており、サプライズではないが、選考の根拠はやや乏しい。ロンドン、リオと2大会連続で五輪出場を逃して、低迷を続ける全日本男子を立て直すことはできるのであろうか。

 まず、中垣内監督の経歴を振り返ってみよう。

 筑波大学在学中に全日本に選ばれ、1989年のワールドカップでは6位、新日鐵に入社後の91年ワールドカップでは4位と上位進出に貢献。同時期に全日本メンバーだったレシーブの名手・青山繁が「もうガイチ君に全部上げておけば、何とかなる! 僕らはとにかく拾ってつなぐから、ガイチ君あとはよろしく!って」というほどのスーパーエースだった。

 そして、92年バルセロナ五輪6位入賞の立役者になる。痛めた膝に注射を打ち、スパイクを打って打って打ちまくって勝ち取った結果だった。

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