竹下佳江が見た全日本女子「木村沙織にすべてを背負わせてしまった」 (3ページ目)

  • 岡部充代●文 text by Okabe Mitsuyo
  • 西田泰輔●写真 photo by Nishida Taisuke

―― 「明るい未来」というのは姫路のチームのことだけでなく、女子バレーの未来も含まれていると思います。リオ五輪では残念な結果に終わりましたが(準々決勝でアメリカに敗れ、メダル獲得ならず)、日本の女子バレーの現状をどのように感じていらっしゃいますか。

「正直、厳しいなと感じました。私が眞鍋さんとやっているときに思ったのは、目標設定をしっかりすることで、選手は走りやすくなるし、チームもひとつにまとまる。それが非常に重要なことだと、今回も感じましたね。そういう意味で、今回はチームとしてじっくり作り上げられなかったのかなと。木村沙織選手が4年間、キャプテンとして今までの財産をひとりで全部背負って頑張ってきたのかなと思うと、すごく重いものを背負わせてしまった。ただ、そういう選手がいることで、若い選手はいろんなことを感じたと思うし、世界と戦うということがどれだけ厳しいかも痛感したと思うので、そこは東京(五輪)に向けてよかったのかなと思います」

―― 今回のチームもメダル獲得という目標設定はしていたと思います。ただ、銅メダルに輝いたロンドンのときは、10年に世界選手権で銅メダルを獲得し、11年のワールドカップも4位と、ステップを踏んでいたのに対して、今回はオリンピック前に結果を出すことができませんでした。その違いもあったのでしょうか。

「結果が出ると自信がついてくるので、私たちはそうやってどんどんステップアップしていきました。チームとしてもじっくり作り上げられて、ロンドンでしっかりひとつになって戦えたと思うんですけど、今回のチームはベテランがごっそりいなくなって、ずっといたのは木村選手だけ。山口舞選手や荒木絵里香選手は途中から代表に復帰しましたが、4年間かけて、チームとしてひとつにまとまることができなかった。若手では長岡望悠選手や宮下遥選手が4年間ずっといましたが、スタメンから外れたり、チームの軸としてうまく機能し切れなかったのかなと......」

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