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大林素子さんが「愛のムチ」。
女子バレーは東京へ大型選手育成を急げ (4ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by JMPA


――そういう意味では、木村選手は今までのキャプテンとは違った?

「トップ選手だからといってリーダーが向いているわけではない。プレーで引っ張るタイプで、彼女なりにすごく頑張ったと思います。リオでは思う存分のプレーはできなかったし、効果率(※1)ひと桁という時間帯も結構あった。準々決勝のアメリカ戦の前に頑張ってとLINEをしたら、全員の集合写真を送ってきてくれました。(アメリカ戦の)最後の踏ん張りがなかったら、悔やむしかない大会になるところでした」
※1 決定本数―(被ブロック数+ミス本数)/打数

――大会を通じて、大林さんから見て気になった部分はどこですか。

「レセプションとディグです。レセプションはOQT(オリンピック最終予選)やワールドグランプリでも乱れていたので、今大会も乱されることもある程度予想していました。でも、ディグはあれだけ練習やったのに、と。男子のⅤリーグ選手たちが来てくれて、ホント怖いと思うようなボールを上げる練習をしていました。ロシア、セルビアなど、あのパワーのあるスパイクを上げなければ、勝利はないというのがスタートだった。そのためにやってきたのに、上がらなかった。

 ディグはブロックとの関係なのですが、オリンピック本番ではダメでした。正面で当たっているボールをはじいてしまう。『男子と練習したじゃない、なぜ上がらないの』という思いはあります。攻撃やブロックのことより、ディグ、レセプション中心の練習をしてきたのに、それが上がらなかった時点で、得点につながる要因がありませんでした。選手選考も攻撃よりも守りを重視したのに、守りが乱れた時点で、負けが見えました。

 あとは、控えの選手が出てきたときの修正能力がなかった。韓国戦はまさにそうだし、優勝した中国、銅メダルのアメリカはこの能力がすごく優れている」

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