【バレー】創部84年目の初優勝へ。JT栗生澤GMのチーム掌握術 (5ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 木村正史●写真 photo by Kimura Masashi

――ファイナルラウンドに向けて、いかがでしょう。

「入れ替え戦のときと同じで『普段通りいい仕事をしましょう』と。ただ、その『普段通りのこと』のレベルが上がってるだけなんです。いいときはそーっとしている方がいいから、黙ってベンチに座っています(笑)
 
 84年の悲願という話や諸先輩方の想いはオフシーズンにはしますが、シーズン中は、こちらからはしません。私自身が入社した時で、すでに60周年くらいですから、私も創部当時の事まで、すべて把握していないですし、諸先輩から聞いた話がほとんどです。

 今、頑張らなきゃならない選手達にプレッシャーに感じてもらいたくない。成し遂げた後にはいっぱい話したいと思いますけど。OB代表とも言える猫田(勝敏)さん(※2)も、私が大学1年の時にお亡くなりになっており伝説の人。『世界一にはなったけど、日本一にはなっていない』というような文言が一人歩きしてしまっている感もあるので、今は後ろ(過去)ではなく前(未来)を見て目標達成に集中してほしい」
※2 猫田勝敏(1944~1983)。日本専売公社(現・JT)所属のセッター。全日本にも選出され、1972年ミュンヘン五輪で金メダルを獲得。丁寧なトスさばきで、世界を魅了した。

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