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錦織圭のLINEでの引退報告に「なんで言わねえんだよ」 添田豪「圭は指導者としても、型にはまってはいけない人」 (2ページ目)

  • 内田 暁●取材・文 text by Akatsuki Uchida

【テニスから離れてほしくはない】

 添田氏が錦織と初めて会ってから、約20年の月日が流れた。その間に両者の関係性は、対戦を重ねたライバルから、多くを共有する盟友へ、そして代表監督と選手へと変化した。錦織が少年の面差しを残す10代の若手からベテランへと年齢を重ねていくなかで、彼が発する言葉や意識の変化も感じてきたと添田氏は言う。

「たぶん、圭が30歳になった頃からかな。周りの選手たちや、特に若手を気にかける態度や発言が増えたと思います。年齢が上がり、余裕が出てきたこともあるだろうし、自然とアドバイスしたくなるような年下の選手が増えたこともあると思います。特に僕が監督になってからは、日本テニス界の未来や、今の若い子たちがどこまで行けそうかという話はけっこうしましたね」

 そのように錦織とともに歩んできた添田氏は、この先の錦織に何を望むのだろうか?

「すぐには求めていないし、本人にも焦ってほしくはないですが......」と前置きしたうえで、添田氏が思いを紡ぐ。

「どんな形でもいいので、テニス界には関わってほしいし、ちょっと責任ある立場に就いてくれたらうれしいなとは思います。彼がいるといないとでは、日本のテニス界は全然違う未来になると思うので。

 だから、あまりテニスから離れてほしくはないかな。ガッツリではなくてもいいので、ふとした時に会って話ができたり、短期でもいいのでジュニア選手やプロの若手が助言をもらえるような立場にいてくれたらなと思います」

 錦織の持つ経験や知識を後進に伝えてほしいと望む一方で、添田氏は「すぐにコーチになってほしいとは思わない」とも明言する。それは、錦織圭の魅力が、既存の概念にとらわれない点にあると思うからだ。

「僕は、圭は指導者としても、型にはまってはいけない人だと思うんです。もし彼が『コーチとはこうあるべきだ』というような考えを持っていたとしたら、それは捨ててほしいな。彼らしさを今後も持っていてほしいし、指導者になるとしても、面白い選手を育ててほしいなと思います。従来の日本人にはなかなかない発想をもたらしてほしいですね」

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