錦織圭に引退を伝えたら「うそだーー」 土居美咲は「一番好きな選手。ずっとずっと応援しています」 (2ページ目)
【圭くんを、本当に尊敬している】
ネットを挟み対峙したことで、五感で知った錦織圭の強さの精髄。それは、錦織の卓越した感性と身体感覚で編み出された、唯一無二のテニスだろう。
ただ、錦織に憧れ、模倣することで、多くの人々が似たプレーをできるようにはなる。今、後進の指導にあたるなかで、土居さんは日本テニス界における錦織の影響力を目の当たりにしているという。
「今の時代、ドロップショットを打てる選手は増えているし、当たり前になってきています。でも、私が若い頃は、そこまでいなかった印象でした。今は日本のジュニアの子たちも、めっちゃうまいですよね、ドロップショット。やはり圭くんを見て育っているから、自然とやりたくなるんだと思います。
私がジュニアの頃はまだ、ドロップショット打ったら怒られましたからね。ちょうど転換期ぐらいだったと思うんですけど、ドロップショットは"サボり"だと捉えられていた時代でした。だから私、ドロップショットの練習なんかしたことなかったし、打とうという発想もなかったんです。
プロになってから練習し始めましたけど、やっぱり幼少期から遊び感覚でやってないと、身につけるのは難しい。ナチュラルに打てるようにはならないですよね」
錦織圭というひとりのスターの登場により、変わった日本テニス界の光景──。土居さん自身も、ジュニアから若手プロ、そしてトップツアー選手へと立場を変えるなかで、その変遷を目に映してきた。
錦織影響下のツアーで戦ってきた土居さんは、錦織よりも先に、その舞台を去った。直接の原因は、腰椎分離症。「ケガのせいで、成長に割ける時間がない。納得できるパフォーマンスを、継続的に発揮するのが困難になった」ことが理由だった。
2023年の夏、土居さんは錦織に、引退の決断をLINEメッセージで伝えた。ケガがその原因であることと、「復活への道を歩み始めた圭くんを、本当に尊敬している」という敬意とともに。
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