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大坂なおみ、呪縛からの解放。
敵もお手上げの完璧テニスで優勝へ弾み (3ページ目)

  • 神 仁司●文 text by Ko Hitoshi
  • photo by AP/アフロ

「今、私はいつも未来を見据えています」と自信を深め、メンタル面も昨シーズンの悪い時と比べると別人のように落ち着いている。現在の成長ぶりを見ると、昨シーズンの苦い経験も決して無駄だったわけではなく、真の女王になるための道程だったと言える。

 そして、2020年シーズンからタッグを組んだウィム・フィセッテコーチとの化学反応も、大坂に安定したゲームをもたらす要因になっている。試合前に2人は座って、フィセッテコーチが「パワーポイント」で作ったゲームプランをチェックするという。それが実際のゲームでの助けになっていると大坂は説明する。

「今のところとてもうまくいっています。僕は彼女(大坂)をとても誇りに思っています」

 フィセッテコーチは、大坂の試合でのプレーだけでなく、練習での態度や集中力の高さも高く評価している。

「準決勝に来られて本当にうれしい。できればこの調子を続けたいです」

 こう発せられた大坂の言葉は、実に素直であり本心であるように感じられる。準決勝で大坂は、第28シードのジェニファー・ブレイディ(41位、アメリカ)と対戦する。過去の対戦成績は1勝1敗だが、大坂がブレイディに負けたのは6年前のことなので、この対戦成績は参考にならないだろう。

「トロフィーを勝ち取りたいです。だからこそ私はここにいるのです。もちろんしばらくそのポジションに私は到達できていないけれど、私は本当に調子のよさを感じています。みんなが私と同じように頂点を狙っているのはわかっています」

 大坂の2度目のUSオープン戴冠まであと2勝だ。

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