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大坂なおみ、3度目の正直なるか。
地元優勝のカギは父とのキーワード (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by Ko Hitoshi

 ジェンキンスコーチと一緒に戦った期間、大坂の優勝はなく、解消は正しい判断に思われたが、シーズン中にツアーコーチが不在になるリスクを背負うことにもなる。ただ、大坂はそれも覚悟のうえだったという。

「リスクは常につきまとうものだと思います。現時点、私は何かリセットをしたいと考えて今回の決断に至りました。父は、もともと私のコーチでした。自分としては、いくつかのステップを戻って、そこから新たに積み上げていこうと考えています。(現在)とてもいい環境にいると思います。これから先もまだまだ学んでいきたい」

 準々決勝では、大坂がオンコートコーチングをリクエストして、フランソワ氏がアドバイスする場面もあった。

 「落ち着きなさいと言われました。そして、"ディシプリン(規律、自制心)"は、いつも言われていて、私と父の間のキーワードのひとつです」

 準決勝では大坂が、時速180~190キロ台のファーストサーブを何度も打ち込んで、ゲームを常に優位に進めた。ファーストサーブのポイント獲得率は83%に達し、大坂の完勝だった。

 大坂は、自分のミスのあとに笑顔を見せた、すぐに気持ちを切り替えていた。また、マーテンズのいいショットにはラケットを使って拍手をするポーズをした。これらは、ポジティブな気持ちを維持しながらプレーできている証拠だろう。正式なツアーコーチは不在ながら、彼女の精神面がいい状態であることがうかがえた。

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