大坂なおみ、3度目の正直なるか。地元優勝のカギは父とのキーワード
決勝進出を決めて、父親やチームメンバーに向かって満面の笑みを見せた大坂 東レ パン パシフィックオープンテニス大会6日目には、雨による日程遅延のため、準々決勝と準決勝が同日に行なわれ、第1シードの大坂なおみ(WTAランキング4位、9月16日づけ/以下同)は、準々決勝でユリア・プチンツェワ(36位、カザフスタン)を6-4、6-4で破り、続く準決勝ではエリス・マーテンズ(24位、ベルギー)を6-4、6-1で下して2年連続3度目の決勝進出を果たした。
準々決勝は、大坂にとってある意味"テスト"とも言える対戦となった。準々決勝で対峙したプチンツェワには、これまで0勝3敗で、セットすら取ったことがなく、天敵ともいえる存在だったからだ。とくに、今年のウィンブルドン1回戦ではプティンツェバがストレートで勝利して、大坂を失意の底に突き落としたことは記憶に新しい。
だが、東レPPOはコートサーフェスがグラス(天然芝)ではなく、大坂が最も得意とするハードコートであるため、自分の高速サーブやパワフルなグランドストロークを活かしながら自分の思うようなゲームを落ち着いて展開して、第1セットは一気に5-1とした。
このままリードを守りたい大坂の動きがやや硬くなったところを、粘り強いファイターであるプチンツェワが持ち味を発揮して5-4まで追い上げ、すんなりセットを先取できない。
それでも、第10ゲーム30-30からは、大坂が、回り込んでフォアのダウンザラインへエースを決めて3回目のセットポイントをつかみ、さらにバックのダウンザラインで攻めて、プチンツェワのフォアのミスを誘った。そして、ついにプチンツェワから初めてセットを奪取した大坂は、右拳を高く上げた。
第2セットも大坂が5-2とリードを奪うが、プレッシャーからかやや硬くなると、5-4まで追い上げられる。混戦になるかと思われたその矢先、第10ゲーム15-40の場面で、プチンツェワがスリップして左足首を痛めてしまい、治療後に試合に復帰したものの、大坂が勝利して、勝負はあっけない幕切れとなった。
「今回はハードコートだったので、自分のやりやすいコートだったし、日本でのプレーでしたから、自分にとって有利な展開になったんだと思います」(大坂)
USオープン後に大坂は、ジャーメイン・ジェンキンスコーチとの関係を解消したため、今回の東レPPOでは、父親のレオナルド・フランソワ氏が一時的なコーチとなっている。
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