「自信になる」。錦織圭、フェデラーに勝利して初タイトルへ弾み (2ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

 マスターズ1000(以下MS)・パリ大会の後、練習を少な目にして休養をとり「あと1週間頑張るために、体とメンタルの準備をしていた」という錦織は、ラウンドロビン(総当たり戦)のレイトン・ヒューイットグループ(※ヒューイットは、オーストラリアの元世界ナンバーワン選手。最終戦ではグループ名に、過去の名選手を使用することがある)に入った。

 第7シードになった錦織は、初戦で第2シードのフェデラー(3位)と対峙した。これまでの対戦成績は錦織の2勝7敗で、近々は6連敗中。勝利は2014年3月のMSマイアミ大会まで遡らなければならない。今季は、MS上海大会とMSパリ大会で対戦し、いずれも錦織がストレートで敗れている。

 さらに、最終戦では2度対戦したことがあり、2014年にはストレートで、2015年にはフルセットで錦織が敗れた。

 一方、37歳になったフェデラーは、最終戦は2002年から2016年を除くすべての年でプレーしており、今年で16回目(史上最多)の出場。6回の優勝(史上最多)を誇る。さらに、今年2月には、最年長(36歳)で世界ナンバーワンに返り咲き、依然としてツアーで大きな存在感を示している。

 そのフェデラーは、錦織戦の2日前の練習で、イワン・リゥビチッチコーチからヒッティングポイントがよくないことを指摘され、セブリン・ルシーコーチも含めて3人で、いつになく厳しい表情で話し合いをしていた。

 今回の対戦では、フェデラーが「両者共に、第1セットでは苦しんでいた」と振り返ったように、お互いリターンミスが多いことも手伝って、ロングラリーがほとんどない状態が続いた。そして、共にサービスをすべてキープしてタイブレークに入ると、錦織が4回目のセットポイントをものにしてセットを先取した。

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