サッカーを知った大坂なおみ。元女王に完敗も、強いメンタルで全米へ

  • 神 仁司●文・撮影 text & photo Ko Hitoshi

負けてしまったが、最後まで強い気持ちで戦い抜いた大坂なおみ負けてしまったが、最後まで強い気持ちで戦い抜いた大坂なおみ「初めてのセンターコートで、もっと楽しめるはずだったのに......」

 大坂なおみは2度目のウインブルドンで、初めてセンターコートでプレーするチャンスを得た。だが、いつもテレビで見ていたその場所に一歩足を踏み入れた瞬間、楽しむはずの時間はどこかに飛んでいってしまった。そして、大坂は、センターコートで楽しめなかったことを最大限後悔した――。

 第18シードの大坂(WTAランキング18位、7月2日付/以下同)は、第11シードのアンゲリク・ケルバー(10位、ドイツ)に2-6、4-6で敗れて、ウインブルドンで初の4回戦進出はできなかった。

 2人のこれまでの対戦成績は1勝2敗と大坂が負け越しているが、初対決となった2017年USオープンの1回戦では、ディフェンディングチャンピオンのケルバーを、わずか65分で破った衝撃は記憶に新しいところだ。

 グラス(天然芝)コートで対戦するのは初めてで、大坂のビッグサーブや強力なフォアハンドがうまく決まれば、有利に試合を展開できるかもしれないと言われていたが、大坂自身は、グラスでの試合経験がケルバーより劣っていることを懸念していた。

「ケルバーの方が、グラスで試合をたくさんしています。自分にアドバンテージがあるかもしれないけど、プレッシャーになってもいけないので、あまり考えないようにします」

 今回の3回戦では、2016年ウインブルドン準優勝者のケルバーに、大坂が気にしていた経験の差を見せつけられる形になったが、ケルバー本人は「すべてのゲームが本当にタフだった」と謙虚だった。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る